概要
その「観光バス」は乗客が消えてゆく。やがて君の笑顔も見えなくなった。
交際10年目の渡辺亮と和久井あゆみは、北海道旅行を楽しんでいた。しかし、支笏湖を出発した「観光バス」に乗ってから、あゆみの涙は止まらない。あゆみも、どうして悲しいのかが分からない。その涙の意味を、この先起こることを知っている亮は、ただ、あゆみを見つめていた。
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きっと、お菓子を買っちゃいます。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「大切なあなたへ伝えたい」と「ふと蘇るあの人」が好きなあなたへ
北海道・支笏湖を舞台に、亮とあゆみ、そして様々な人たちの想いを描いた物語です。
美しい景色の中に、漂う小さな違和感。
読み終えたあとには、ふと自分の心と向き合うような余韻がありました。
【大切な人へ伝えたい】
亮とあゆみが触れていくのは、誰かを想う言葉の数々。
感謝や優しさ、そして伝えたかった言葉。
様々な人の想いが描かれ、その言葉の一つひとつが、生きた言葉として読み手に響きます。
【ふと蘇るあの人】
この物語を読んでいるうちに、私自身も、心の中に眠っていた大切な人との思い出が、ふと胸をよぎりました。
いつの間にか思い出すことが少なくなっていたあの人。
そんな記憶を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!~ 観光バスから消えてゆく乗客たち、その先にある優しい真実 ~
交際10年目の二人が支笏湖を訪れた観光バスの中で、乗客が一人また一人と消えていくホラーかと思わせる導入から、深い人間ドラマへと静かに転調していく構成の妙が光る短編だ。
あゆみがなぜ涙を止められないのか分からないまま涙し続け、亮だけがその理由とこの先起こることを知っている、という情報の非対称性が物語に独特の緊張と切なさを生んでいる。綿密でありながら冗長にならない心理描写が秀逸で、舞台装置以上の役割を担う支笏湖の存在感も効いている。
全5話・1万字弱というコンパクトさの中に伏線を丁寧に仕込んでおり、読み終えた後にもう一度最初から読み返すとさらに味わいが増す一作。切なさの先に小さな灯りが残る、…続きを読む