概要
聖王のアスタは公民の来世のために犠牲となる役目を負う。
同じ役目を担う聖棺・イワウと来日、身分を偽った二人は日本人として一泉高校英愛寮で暮らしはじめる。
役目を捨てて刹那に生きようとするアスタの意図とは裏腹に、イワウは一途に役目を果たそうとする――
「スマホ? 知らんそんなもん、こうしてやるっ!」
来世のない二人の学生寮コメディが開幕! そして10万文字で閉幕する。
(表紙絵1)
https://kakuyomu.jp/users/green_wood/news/16817330652894307896
(表紙絵2)
https://kakuyomu.jp/users/green_wood/news/16817330650211411047
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!コミカル? いえいえ思惟するものです。
タイトルから意味深です。実際に心優しいヤンキーたちが登場しますし、聖王様は公民が増えるほど死後のお仕事が増えるので、負担が増えるのも確かです。でも、ここではただそれだけの意味ではないような気がします。ぜったい、なにかある。
そう思わせてしまう(疑わせてしまう?)のは、聖王であるアスタが常に思索的であるからかもしれません。公民の手本となり彼らの死後の魂を来世の国へと運ぶ大役を担う聖王。アスタは常に役目に忠実であろうとし、その生真面目さゆえに、重すぎる役目から逃げ出そうとします。
「どう生きてどうやって死ぬのか自分で選べるんだって! それが普通のことなんだよ、私たちは知らなかっただけで」
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!コンコン。この声に応答を。
タイトルは本作の印象的なシーンからつけさせて頂きました。
主人公アスタとヒロイン・イワウは、壁越しに床を叩いて毎晩会話します。このいじらしくて、ちょっと不思議で、なにかがすれ違ったシーンが、作品全体の雰囲気を象徴しているかのようです。
アスタとイワウは幼なじみで、どこへ行くのもいっしょ。ニコイチなふたり、なのですが。
物語冒頭からすれ違い、近いのに遠い距離を行ったり来たりして、少しずつ互いに納得する道を探っていく。そんなストーリーとなっております。
トゥルーエンドへの鍵は、ヤンキーが握っている!?個人的にヤンキーとの遭遇は超重要シーンで、必見です。
見所は、ほぼ鎖国状態の異国から来たア…続きを読む - ★★★ Excellent!!!楽しいのにどこか切ない。ヤンキーになれなかった聖王様は何になるのか?
中世的な暮らしをしていたアスタは、重すぎる使命から逃れるように、イワウと共に日本へ留学する——。
現代日本の価値観とは100年くらい離れている2人が主人公なのですが、異文化交流や価値観の違いによる言動がとても鮮やかに書かれています。
自分とは違う国、価値観を持つ人との交流や思考のギャップ。違うからこそ生まれる面白さや対立。そういう大切なものを感じさせてくれるお話です。
ヤンキーになれなかった聖王様は何になるのか。
自分の使命と向き合う自分探しの一面もあるのですが、アスタが迷いながら選んだ道が、迷ったからこそグッと来るのです。
また、読んでいる時の感触や手触りが凄く不思議!
明るくて面白…続きを読む