第4話 座右の銘と決意 ☆

 アークが転生してから、1ノ月が過ぎた。


 創造魔法で属性魔法や新しいスキルを増やしてみたり、魔力操作を使い続けてみたり、寂しいときはクレアに話しかけ、いろいろな知識を身につけたりと…濃い1ノ月を過ごした。


 そして現在のステータスはというと…


【ステータス】

 アーク

 年齢:6歳 Lv.15

 種族:ハーフエルフ?(強制隠蔽)

 職業:神ノ使徒

 称号:【転生者】【時空神の婚約者】【精霊に愛されし者】

 ●能力 

 固有能力:【叡智ノ書庫アカシックレコード】【精霊ノ寵愛】【闇夜ノ血脈】

 属性魔法:〔火魔法Lv.2〕〔水魔法Lv.2〕〔風魔法Lv.3〕〔地魔法Lv.1〕〔木魔法Lv.2〕〔光魔法Lv.1〕〔闇魔法Lv.1〕〔無魔法Lv.2〕

 特殊魔法:〔創造魔法Lv.2〕〔鑑定魔法Lv.2〕〔時空間魔法Lv.1〕〔隠蔽魔法Lv.3〕〔結界魔法Lv.2〕

 固有魔法:〔精霊魔法Lv.1〕〔血魔法Lv.1〕〔生活魔法Lv.4〕 

 スキル:〔剣術Lv.4〕〔体術Lv.2〕〔魔力感知Lv.7〕〔魔力操作Lv.7〕〔思考加速Lv.2〕〔多重思考Lv.1〕〔調理Lv.2〕


 1ノ月の間、毎日毎日修行に明け暮れ、魔法やスキルのレベル上げを頑張った。魔力量は数値として表れることがないこの世界だが、


 もちろんレベルを上げればそれに伴い技術は向上する世界なのだが、アークは技術をレベルアップの恩恵で上げることではなく、自分の努力で上げたいと思っていた。


 レベルアップには経験値とやらが絡んでくるのだが、これは魔物を倒すと増大されるらしい。倒すのに使った魔法・スキルにそれぞれ経験値が積まれ、レベルが上がっていくのだ。


 もちろん魔物を倒さなくても経験値は貯まる。しかし、魔物を倒したときと比較すると、1/100ほど少なくなっているらしいので、レベル上げの基本は、森やダンジョンに入って狩るのが一般的なのだそうだ。


 アークが魔物を倒すときは、食料を調達するときだけである。もし遭遇してしまった場合は、新たに創造魔法で創り出した〔隠密魔法〕や〔結界魔法〕でやり過ごす。


 実際アークの今の実力ならば、歩みの森一帯の魔物は全て秒殺であろう。これらのレベルでこれほどまでに強いのは、なかなかにチートである。










 アークがここまで努力するのには理由がある。


 アークには、ずっと大切にしている座右の銘がある。それは…


『努力を努力と思わない』


 である。まだ転生する前、祐太は建築学科に通っていたため、設計仮題というものがあった。祐太は計画的に進めており、図面は書き終わり、模型もほぼ完成していた。


 しかし、祐太は模型制作中に無理をしたのが祟り、貧血をおこして倒れた際、模型の一部分を壊してしまったのだ。


 模型の修復作業には割と時間がかかってしまい、提出前夜には、徹夜をしないといけないほどだった。滅多に夜更かしをしないため、深夜帯のテレビを見たことのない祐太は、ふと気になりテレビを付けた。


 そうすると、アイドルグループが出演している番組がやっていた。祐太はアイドルは余り興味がなかったのだが、このアイドルグループは知っていた。


 クラスでも有名で、誰がだれ推しだ、といった会話は毎日のように聞こえてくるのである。


 そんな番組中、1人の可愛い女の子が言った一言に衝撃を受けた。


『私の座右の銘ですか?私は、努力を努力と思わないっていう座右の銘で生活してますね。努力って、ちょっと頑張っただけでも努力って言えますけど、もの凄く頑張っても努力じゃないですか。つまり、努力に限界値なんてないんですよ!努力しました~なんて言ってる子は甘えです、甘え!努力したなんて軽い気持ちで言うと本当に努力している人に失礼ですからね。』


 その一言は、祐太の生きる道標となり、そのアイドルは憧れになった。


 転生してしまったため、もう見ることはできないが、この言葉だけでも自分の座右の銘として魂に刻み込もうと、決心していた。







 アークは自分が努力をしたと実感したとき、いや実感してしまったとき、この座右の銘を必ず思い出す。


「僕はまだまだやれる…!人は限界と思ってからもうちょっといけるんだ!」


 アークは強迫観念のようにこの言葉を呟き、まだ見ぬ境地に思いを馳せた。


 アークは結局、修行時間を増やした。必要な睡眠時間について考えていると、勝手にクレアが答えてくれる。クレアは少し疑問に思ったことでも答えてくれるようになったのだ。


《―――アークの現在成長に必要不可欠な睡眠時間は、5時間です。睡眠時間は私が疲労回復や肉体修復に努めておりますので、ご安心を。》


 自我が芽生えたのかな?とようやく疑い始めたが、そんなことはありませんと答えてくる。じゃあそんなことはないのだろう、と鈍感なアークであった。


 今までは8時間寝るようにしていたが、3時間も時間が増えたので、そのまま3時間を修行時間へと付け足した。




 そうして5ノ月が過ぎ、アークは転生してから半ノ月、6ノ月を過ごした。歩みの森の魔物での食事レパートリーは飽きたので、狩りは隣の成長ノ森に行っていた。


 成長の森は魔物のランクが2~3ランク上がり、レベルアップが格段に早くなっていた。それでも食材の調達でしか戦闘はしないのだが。


 現在のステータスは、こんな感じである。


【ステータス】

 アーク

 年齢:6歳 Lv.27

 種族:ハーフエルフ?(強制隠蔽)

 職業:神ノ使徒

 称号:【転生者】【時空神の婚約者】【精霊に愛されし者】

 ●能力 

 固有能力:【叡智ノ書庫アカシックレコード】【精霊ノ寵愛】【闇夜ノ血脈】

 属性魔法:〔火魔法Lv.3〕〔水魔法Lv.3〕〔風魔法Lv.5〕〔地魔法Lv.2〕〔木魔法Lv.3〕〔光魔法Lv.2〕〔闇魔法Lv.2〕〔無魔法Lv.4〕

 特殊魔法:〔創造魔法Lv.3〕〔鑑定魔法Lv.5〕〔時空間魔法Lv.2〕〔隠蔽魔法Lv.5〕〔力学魔法Lv.3〕〔結界魔法Lv.4〕

 固有魔法:〔精霊魔法Lv.2〕〔血魔法Lv.3〕〔生活魔法Lv.6〕 

 スキル:〔剣術Lv.6〕〔体術Lv.2〕〔魔感覚Lv.2〕〔思考加速Lv.5〕〔多重思考Lv.3〕〔調理Lv.5〕


 着実に強くなっていることが実感できている。そろそろ街とかに行ってみようかな?

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