シンラ王立学院 2年生編

第59話 2年生進級と入替戦 ☆

 お待たせしてしまって申し訳ありません…!! 


 あんまり空けるのも申し訳ないと思ったので、投稿させて頂きました…!


 仕事が忙しくて投稿が1日、2日おきとかになってしまうかも知れませんが、今後ともよろしくお願い致します…!!!




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 7ノ月に入った。


『惑星オルタ』では、新年の始めは1ノ月であるものの、新学期は7ノ月である。7ノ月で入学や進級し、6ヶ月間通ってから1ノ月の初めから2ノ月の終わりの2ヶ月間が長期休暇となり、それから4ヶ月間通ってまた進学進級となる流れだ。


 7ノ月となったことでアークたちは2年生に、シオリは4年生に進級した。


 シオリはあれからずっとアークたちとの修行に参加し続け、王族持ち前のポテンシャルで魔力操作の技術は皆に並んでいた。2週間程の差なのでそこはまあなんとかなったのだろう。


 シオリは当初、【クレアブルム流刀術】の修行には参加していなかったが、格闘にも応用できる歩術や打術があると知って、今ではサクラたちと歩術を中心に学んでいる。打術に関してはまだ時期尚早であるとのクレアの判断により、まだ教えていない。


 アーク個人はと言うと、着実に日々の修行をこなし、順調に成長して行っている。無ノ日の冒険者ギルド出頭の日は、最近では討伐依頼などをこなしている訳ではなく『光翼の癒し』とお話をしたりリュウゾウやら戦闘狂たちと模擬戦をしたりといった内容が主だった。


 おかげでレベルはそこまで上がることはなく、ただただ魔法やスキル、能力の練度が上がっていった。


 学業に関しては、授業中に〔多重思考〕を用いてかたや〔幻影魔法〕での刀術の修行、かたやお勉強をして、成績としては一応主席となっている。


 前世では物覚えがとてつもなく悪かったのだが、今世では物覚えが良すぎて勉強するのが楽しくて仕方がない状態になっていた。不幸中の幸いというやつだ。


 実技に関しても勿論アークは主席なので、総合成績ではアークが独走状態でトップとなった。


 次席はなんとサクラである。ほんわかしているイメージがあるが、実技に関してはジンよりも強い。1-Sでサクラに勝てる者はアークしかいなかったのだ。


 順番ではサクラに次いでジン、ツバキ、ミカゲと並び、その次は侯爵家令嬢のサチホ、その次にミルがくる形となった。ミルは実技に関してはかなりの腕前となったが、やはり留学している影響で学業の方が少し物足りなかったようだ。


 ちなみに、アークが作った『通信ノ指輪』は全員に渡した。『惑星オルタ』でも婚約指輪の風習があるようで、受け取った婚約者たちは真っ赤な顔をしていた。アークは慌てて訂正したのだが、それによって不機嫌になった人が何人かいたことはアークは不思議に思ったのだった。





 ここで、以前のステータスと7ノ月に入った現状のアークのステータスを見てみよう。まずはレギオンアントを討伐した直後のステータスがこちら。


【ステータス】

 アーク=フォン=フォレストブルム

 年齢:6歳 Lv.123

 種族:ハーフエルフ?(強制隠蔽)

 職業:神ノ使徒

 称号:【転生者】【時空神の婚約者】【精霊に愛されし者】【シンラ国公爵】

 ●能力 

 固有能力:【叡智ノ書庫アカシックレコード】【精霊ノ寵愛】【闇夜ノ血脈】【クレアブルム流刀術】

 属性魔法:〔火魔法Lv.9〕〔水流魔法Lv.1〕〔暴風魔法Lv.3〕〔大地魔法Lv.1〕〔木魔法Lv.8〕〔光魔法Lv.9〕〔闇魔法Lv.8〕〔無魔法Lv.11〕

 特殊魔法:〔創造魔法Lv.6〕〔鑑定魔法Lv.6〕〔時空間魔法Lv.8〕〔完全隠蔽魔法Lv.3〕〔力学魔法Lv.10〕〔結界魔法Lv.8〕〔幻影魔法Lv.6〕

 固有魔法:〔精霊魔法Lv.13〕〔血魔法Lv.10〕〔生活魔法Lv.8〕 

 スキル:〔上級剣術Lv.1〕〔中級刀術Lv.1〕〔身体制御Lv.5〕〔魔力掌握Lv.5〕〔高速思考Lv.4〕〔多重思考Lv.6〕〔調理Lv.7〕(〔超絶倫Lv.2〕〔性欲制御Lv.2〕隠蔽中)



 そして、7ノ月に入ってからのステータスがこちら。



【ステータス】

 アーク=フォン=フォレストブルム

 年齢:6歳 Lv.145

 種族:ハーフエルフ?(強制隠蔽)

 職業:神ノ使徒

 異名:“佩刀はいとう熾天使してんし

 称号:【転生者】【時空神の婚約者】【精霊に愛されし者】【シンラ国公爵】

 ●能力 

 固有能力:【叡智ノ書庫アカシックレコード】【精霊ノ寵愛】【闇夜ノ血脈】【クレアブルム流刀術】【神威ノ創造手かむいのそうぞうしゅ

 属性魔法:〔火炎魔法Lv.1〕〔水流魔法Lv.2〕〔暴風魔法Lv.4〕〔大地魔法Lv.2〕〔植物魔法Lv.1〕〔聖魔法Lv.1〕〔暗黒魔法Lv.1〕〔無魔法Lv.13〕

 特殊魔法:〔創造魔法Lv.8〕〔超鑑定魔法Lv.1〕〔時空間魔法Lv.9〕〔完全隠蔽魔法Lv.4〕〔力学魔法Lv.15〕〔結界魔法Lv.10〕〔幻影魔法Lv.8〕〔雷魔法Lv.3〕〔氷魔法Lv.3〕

 固有魔法:〔精霊魔法Lv.16〕〔血魔法Lv.11〕〔生活魔法Lv.10〕 

 スキル:〔上級剣術Lv.3〕〔中級刀術Lv.3〕〔身体制御Lv.7〕〔魔力掌握Lv.7〕〔高速思考Lv.6〕〔多重思考Lv.7〕(〔性豪王〕隠蔽中)




 変化した点は、まず異名の欄が付き、“佩刀はいとう熾天使してんし”というのが加えられたことと、固有能力に【神威ノ創造手かむいのそうぞうしゅ】が増えたこと。


 そして各種属性魔法がそれぞれ進化し、特殊魔法の欄には〔雷魔法〕と〔氷魔法〕が増えている。この2つは魔法を複合させることにより発生させることはできたが、魔法として存在しているのと、覚えてしまったほうが制御しやすいといった理由から覚えたのだ。


〔調理〕のスキルがなくなったのは、【神威ノ創造手かむいのそうぞうしゅ】に統合されたからである。そして、〔超絶倫Lv.2〕〔性欲制御Lv.2〕はレベルの成長度がなぜか、なぜか高かったため進化・統合して〔性豪王〕となったようだ。


 諸々少なくはあるがレベルが上がっており、しっかり修行しているのが分かる。レギオンアントの巣の調査に行った時のレベルアップということもあり得るだろうが…。





 魔法の中で、〔力学魔法〕と〔精霊魔法〕が群を抜いてレベルが上がっているのは理由がある。


〔力学魔法〕は、単純に重点を置いて修行を行っているからだ。『力線掌握ノ腕輪』を創り出してしまってから、アークは〔力学魔法〕を使うのが楽しくて仕方がなくなってしまった。


『力線掌握ノ腕輪』の能力である〔力線掌握〕と〔力線眼〕はガチでヤバい能力で、全ての現象がどのように動くのかが全て見えるようになり、更にそれを自在に扱うことが可能になってしまったのだ。まだまだ練度が低いので修行が必要ではあるが。


〔精霊魔法〕はレギオンアントの巣の調査依頼の時にずっと使っていたのと、新たに力学精霊、幻影精霊、雷精霊、氷精霊と契約したためだと考えられる。力学精霊は『カグラ』と名付けを行ったが、それと同様に3人にも名付けを行った。特殊属性の精霊にはその個体数の少なさ故に固有の名前が付けられるようである。


 幻影精霊は『ミラ』。雷精霊には『トーレ』。氷精霊には『ヒサメ』と名付けた。案の定、全員精霊王となった。


 まあ、こんな理由でレベルがあがったのだと考えられる。





 そうそう、レギオンアントの巣にできたダンジョンについてだが、調査結果が出たようだ。Aランクパーティー『光翼の癒し』を軸として、Bランクパーティーを3パーティー加えた4パーティーのレイドで調査をしたらしいのだが、ダンジョン攻略難易度はかなり高いらしい。


『光翼の癒し』たちの調査隊も60階層程まで到達したものの、さすがに魔物の強さが高くなってきてこれ以上は進むべきではないと判断したようだ。


 下層の方はかなり強い魔物がいるのだが、上層の方は鉱山の地形だったり森の地形だったりと、素材が美味しい上に魔物がそこまで強くないらしい。


 これにより、王都の冒険者ギルドや商業ギルドはかなり繁盛することになるだろう。冒険者が大量に集まり、更にダンジョンからの資源によってただでさえ豊かである王都は更に豊かになっていくだろう。


 このダンジョンの名前はまだ公表されていないのだが、アークは知っていた。『地下都市ダンジョン』という名前にするらしい。なんでも、レギオンアントが作った巣を利用して地下都市を作っているらしい。リュウゾウがポロッと漏らしてしまったのだ。アークとしてもそれを言いふらすことはしないのだが。


 ちなみに王都にはもう1つ(学院の地下ダンジョンを除いて)存在している。それは、王都に面している湖『決戦ノ湖』の中央にある孤島に存在している『決戦ノ湖ダンジョン』だ。


 こちらのダンジョンも難易度は高いのだが、『地下都市ダンジョン』程ではない。このダンジョン最終階層が判明しているし、攻略者も存在する。その攻略者は現国王や王都冒険者ギルドマスターの所属していたパーティーなのだが。





 それはさておき。学年が上がるとき、シンラ王立学院には重大な行事がある。それは、『入替戦』だ。入替戦は全生徒が熱狂するイベントである。


 各クラスの成績上位者(Sクラス以外)は上のクラスへ昇格するために。各クラスの成績下位者(Dクラス以外)は現在のクラスに残留するために必死で戦う行事なのだ。


 1年生のクラスは、S:20人、A:30人、B:40人、C:50人、D:60人の合計200人の枠だ。そして、2年生のクラスはS:22人、A:33人、B:40人、C:50人、D:55人となる。


 入れ替えの方式を順番に説明しよう。


 Sクラス:Sクラスの下位4人とAクラスの上位4人を選出し、8人でバトルロワイヤルを行う。そして上位6人がSクラスとなり、下位2人がAクラスとなる。


 Aクラス:Aクラスの下位10人とBクラスの上位10人を選出し、20人でバトルロワイヤルを行う。そして、上位15人がAクラスとなり、下位5人がBクラスとなる。


 Bクラス:Bクラスの下位15人とCクラスの上位15人を選出し、30人でバトルロワイヤルを行う。そして、上位20人がBクラスとなり、下位10人がCクラスとなる。


 Cクラス:Cクラスの下位20人とDクラスの上位20人を選出し、40人でバトルロワイヤルを行う。そして、上位25人がCクラスとなり、下位15人がDクラスとなる。


 Dクラス:Cクラスに昇格できなかった人が戻ってきたのがDクラスとなる。


 少々ややこしいが、ザックリ説明すると、こんな感じである。人数が多いところもあるが、会場が別で同時開催なので時間的には1日で終わる。


 ちなみにバトルロワイヤルは3度行い、総合順位で判断する。こちらはこちらでかなり盛り上がるのだ。









 7ノ月初日、シンラ王立学院入学式が終わり、本日の注目イベント『入替戦』が開催されようとしている。学院の訓練場は5つあり、そのどれもがかなりでかい。もちろん観客席も付いており、『入替戦』は毎年その観客席が満席になる。


 観客としては新1年生に加え、学院に出資している貴族や商会、生徒の保護者や卒業生、王都の住民など、様々である。


 すべての訓練場のスクリーンには現在、世界の英雄である『三大賢者』1人、ヤマト=フォン=クロムウェルが映し出されている。


『『これより、王立シンラ学院伝統行事、『入替戦』を開催する。今年からは関係各所からの要望で、Sクラス対抗戦を導入させてもらうことに決まったからのぅ。簡単に説明すると、各学年Sクラスの成績上位者4名での個人戦じゃ。順位は昨日張り出されているじゃろうから、上位4名はしっかりと準備しておくようにのぅ。では、頑張るのじゃぞ。』』


 ヤマトがSクラス対抗戦をやると言った際、全会場が湧いた。今までの入替戦でもかなり盛り上がりがあったのだが、過去にも学院の最上級な戦いが見たいという声があった。それが叶ったので湧くのも当然だろう。





「アーク様!私たちの出番はないかと思ってましたけど、あるみたいです!!」


「あー、そうみたいだね。僕たちのメンバーは僕とサクラとジンとツバキだね。相手は新3年生と新4年生だからちょっと不安だけど、頑張ろうね。」


「はいっ!」


 アークたち生徒は現在各教室に待機している。教室にあるモニターで試合の様子を観戦できるようになっているのだ。試合に出場する生徒だけ訓練場の控え室に待機しているので、2-Sクラスは20人中4人が教室にいない。


 Sクラスを賭けて争うことになってしまった4人は、男爵家長男のオサム、有名鍛冶商会の娘のララ、雑貨商会の双子シンジとケンジの4人だ。


 この4人が特に劣っている訳ではないのだが、ほんのちょっと勉強の方がダメだっただけだ。こと戦闘においては皆大差ない。そして他のクラスに比べると逆にめちゃめちゃ高い。


 その理由はアークがちょびっと指導しているからだ。アークは皆と修行をしている内に指導する能力が開花したようで、皆すくすくと成長している。


「皆勝てるといいね。やっと仲良くなってきたのに、学年が上がってお別れなんて悲しいからね…。」


「大丈夫です!皆様アーク様のおかげで強くなりましたもの!きっと勝てます!」


「うん、そうだね。」


 アークはサクラの言葉が嬉しくて照れくさくなったのだった。

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