第12話 能力の開示とお風呂 ☆

 なんだか王女様2人と結婚することになり、その後はたわいもない話をしていた。


 そこで、サクラがアークの戦闘シーンについて熱く語り出したところ、ステータスを見せろという話になったのだ。


 いやぁ、困った。どうしたものか…


《この王族たちになら開示してもいいかと。しかし、宰相や執事、侍女長はまだ見せない方がよろしいでしょう。どこから情報が広まるか分かりませんので。》


「んー、口を割らないのなら、見せてもいいですよ?あ、でも今回は王族様だけってことにしてもいいですか?」


「おう、大丈夫だ。…そういうわけだから。出てった出てった!ハッハッハ!」


 王族以外の面々が渋々出て行く。執事長さんと侍女長さんはいてもいいと思うけど…


「よし、さっさと見せろ!」


 んー、隠蔽しなきゃいけないとこある?


《―――はい、お任せ下さい。隠蔽を行います。》


「…じゃあ、出しますね。はい、“開示”!」


 他人に見せる際には“開示”唱えないといけないらしい。なんでも、口に出すことにより、見せますよー、という合図のようなものであるという。


【ステータス】

 アーク

 年齢:6歳 Lv.30

 種族:ハーフエルフ

 職業:魔法剣士

 称号:【精霊に愛されし者】

 ●能力 

 固有能力:【叡智ノ書庫アカシックレコード】【精霊ノ寵愛】

 属性魔法:〔火魔法Lv.3〕〔水魔法Lv.3〕〔風魔法Lv.5〕〔地魔法Lv.2〕〔木魔法Lv.3〕〔光魔法Lv.2〕〔闇魔法Lv.2〕〔無魔法Lv.4〕

 特殊魔法:〔創造魔法Lv.3〕〔鑑定魔法Lv.5〕〔隠蔽魔法Lv.5〕〔力学魔法Lv.3〕〔結界魔法Lv.4〕〔空間魔法Lv.3〕

 固有魔法:〔精霊魔法Lv.2〕〔生活魔法Lv.6〕 

 スキル:〔剣術Lv.6〕〔体術Lv.2〕〔魔感覚Lv.2〕〔思考加速Lv.5〕〔多重思考Lv.3〕〔調理Lv.5〕 




 あ、レベル30になってる。オーク倒したからかな。それにしても大分隠蔽したね。でも創造魔法は隠してない。それに属性魔法もオールラインナップ。大丈夫かな?


「お前…!ヤバいな!そのレベルでそのスキルの数とスキルレベルか…魔物あんまり倒してないだろ?」


「あ、はい。魔物倒してスキルレベル上げるのもいいんですけど、それだとちょっと甘えといいますか……技術は己の修行で上げるのがいいんですよね。」


「大した心がけだ。さすがだな!」


 お眼鏡にかかったようで何よりだ。良かった良かっ―――


「「「「「「さすがじゃない(わよ)(ですわ)(にゃ)!!!!!」」」」」」


 うわー、やっぱりなにかあった?王妃たちに王子たち、ハルカ王女まで突っ込んできた。サクラとシオリはよく分からないのか、ポケーッとしている。


「ぜ、全属性適合者よ!!あ、あり得ないわ……相反する魔法をもつだけでも珍しいのに、それが全部って……」


「知らにゃい魔法とスキルがあるにゃ…!教えるにゃあ!!」


「…魔法剣士。羨ましいわね。」


「この歳でこれまでの熟練度…!僕は今まで何をしてきたんだ……」


「ああ、兄様…俺もまだまだだったようだ……」


「うふふ。母様たちが驚くのは久しぶりに見ましたわ。そういう私も驚きましたが。」


 おーい、クレアさんや。大丈夫かい?


《―――はい。むしろこれ以上隠すとアークがポロリして追求を受けるのが目に見えております。1つだけ、〔時空間魔法〕だけは人前で出さないで下さい。狙われます。》


 おー、さすが僕だけのクレアさん。分かってらっしゃる。


《―――は、はい///……もちろんです。》


 アークはクレアが照れていたことに全く気づかなかった。


「あっはっはー……僕はこれが普通だと、思ったんデスケドネー……」


 王妃たちの目が光っており、これは搾り取られるという予感がした。


「さあ、キリキリ吐くにゃ!」


「うふふ、教えなさいね?」


「……魔法剣士…」


 1人よく分からない人がいるが、まあいいだろう。言うことは決めてある。


「これは……修行の成果なのです!!!」


 ビシッ!と人差し指を立て、前に突き出した。完璧だ!


《―――可愛いですが、無理があります…》


 無理があるってなんだよ!


 案の定追求されそうになったが、ケンシンが止めた。


「おいおい、個人情報を無理矢理聞き出そうとするな。あの大爺の孫だぞ?理不尽の塊みてぇなやつに決まってんだろ?」


 おおお!ありがたや王様!…ってなんか悪口言われたけど。まあいいか。


「そ、そうね。悪かったわ。」


「ごめんにゃ。」


 まあ気持ちは分からなくもないので、いいだろう。


「いえいえ、大丈夫です。あ、僕、爺ちゃんって会ったことないんですよね。向こうから一方的に見られてるみたいだったんですけど。」


「まあ、あの爺は謎が多いからな。オレも10回程しか会ったことはねえな。しかし、孫に顔を合わせないとは、どういうこった?」


 うちの爺ちゃん、人見知りかな。そういうことにしとこう。


「あ、そういえば、なんであの森にサクラたちがいたんですか?」


 この会話に全く着いてこれず、ポケーッとしていたサクラは、ようやく話せると思い、パッと顔を明るくした。


「はい!シンラの王族は、代々フォレストピア大森林と深い繋がりがありますの!その繋がりから、王族は一定の年齢を迎えると、世界樹の祝福を頂けることになっていまして、それでフォレストピア大森林に伺ってましたの!」


 おー、そうなのか。だから人見知り爺ちゃんとナイスガイお兄さんは仲がよさげなのね。


「そうなんだ。じゃあ、サクラと出会えたのも世界樹の祝福なのかも知れないね。」


「は、はい…!絶対そうです!運命ですね…」


 サクラは顔を赤くして、アークの腕に顔を埋めた。可愛いなぁと思っていると、突然お転婆ネコさんのお腹が鳴った。


 キュウ~~。


「にゃにゃ!これは違うにゃ!マイにゃ!マイのお腹が鳴ったにゃ!マイ~お腹すいたにゃ?にゃはは~さあ!食事の時間にゃー!」


 そう言ってマイを引っ張っていった。


「……はぁ。あいつ、変わらんよな。」


 ナイスガイお兄さんよ。ファイト!


 そうして自己紹介と能力開示は終わった。














 食事は終わり、お風呂に入ることになった。……なぜかサクラとシオリと共に。


「興奮して襲うなよ?この歳で処女失踪とか笑えねえからな!がッハッハ!」


 とはケンシンの言葉である。その後マイに滅多打ちにされていたが、自業自得だろう。当の本人たちは、なぜ知っているのか、顔を真っ赤にしている。やはりしっかり教わっているのだろうか。


「アーク様……まだちょっと怖いので、もう少し待ってて下さいね?」


「私は別に大丈夫だけど……」


「いやいや!大丈夫だよ!あはは!早く入ろう!」


 くそー、あんなこと言うから気にしちゃってるじゃないか。シオリはなにか言ってたけど、分からなかった。


《―――サクラはまだ無理そうですが、シオリは獣人族の血を引いているため、性行為が可能です。アークはオルタ様のいたずらですでに剥けており、こちらも大丈夫です。》


 クレアまでそんなこと言うな!


 お風呂は、露天風呂だった。厳重に結界が張られているのが分かる。中々広く、泳げるくらいの広さだ。こちらは女湯なのだが、なぜかアークが入っている。


 体を洗い終えたアークは、両側にサクラとシオリがおり、挟まれている。


 先ほどのケンシンの言葉を思い出し、少々息子が元気になっているのだが、タオルで隠している。しかし、シオリにはバレた。


「アークくん…興奮してるの?おっきくなってるよ?」


 耳元でそんなことを囁かれ、さわりとされる。そんなことされるともう全開になってしまう。そして、お湯が白濁しており、サクラには見えないのをいいことに色々やってくる。


 息子をいじったり、アークの手を自分の体に触れさせてみたり、やりたい放題である。アークはこの状況で動けず、どうすることもできない。そんな時、サクラがふらふらし始めた。


「侍女さん!サクラが!」


 侍女さんを呼び、サクラを介抱してもらうことにした。そうしてサクラが運び出され、シオリと2人きりになった。


「アークくん、私、獣人族の血を引いてるから発情してるの丸わかりなのよ?色々教わってるから、任せてね?」


 そう言ってシオリは立ち上がり、座っているアークに跨がり、タオルを取り上げた。


「年齢的に子どもはできないから、安心して射精してね?」


「え、ちょ。―――ああぁ!!」











 ―――――――そうしてアークはお風呂で童貞を捨てた。







――――――――――――――――――――




ちょっと深夜テンションで書いてしまって色々やり過ぎてしまいました…。


しかし後悔はしてません…。この後にもこういったことが度々出てくるので、苦手な方はサッと読み飛ばしてもらえると幸いです…。


年齢の割に……というお声はごもっともだとは思いますが、そこは容認して頂けると、幸いです……。


今後は戦闘シーンとか、色々頑張ってますので期待していて下さい!

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