第13話 発情と精霊召喚

 あれから1時間。やってしまった。気持ちよすぎて、抑えられなかったのだ。6歳でこれだけハッスルできるのは、やはりオルタ様のいたずらのせいだろう。


 アークはヘトヘトだが、シオリは顔をテカテカさせ、嬉しそうに僕と腕を組み、顔を擦りつけてくる。


「アークくん……気持ちよかったね。」


「あ、あぁ、うん。そうだね。」


 アークは恥ずかしくなり、顔を赤くした。シオリはこんな美少年が自分の体に興奮し、必死に腰を振っている姿を思い出し、また発情してしまっている。


 そんな時、保護者陣が現れた。


「シオリ……な~に発情してるにゃ?ぜったいヤッたのにゃ!!」


 うわ!バレてる…!


「おいおい…アークに言わないでシオリに厳重に言っておくべきだったか……」


「アークくん……実はね、声。すっごく響いてきたのよ……まあすぐに遮断したから心配要らないけど。」


「シオリ。はしたないぞ…さすがに声を出しすぎだ。」


「うっ……ごめんなさい。アークくんの顔見たときからなんか、興奮してきちゃって……」


 良かった……僕から襲ったとか言われたらどうしようかと思った。


「それにしても、1時間もヤッてよく持ったな。絶倫のスキルでもあるんじゃねえか?」


 いやいや、そんなスキル持って―――《シオリとエッチする前に創りました。現在隠蔽中です。》ってマジなのか…!


「あはは、そんなことより、大丈夫でしょうか…割とお風呂の中にぶちまけちゃったんですけど…」


「「「「あっ!」」」」


「まずい!侍女長を呼べ!止めさせろ!」


「いや、侍女長がやらかしている可能性も…!」


「にゃ、にゃんとかするにゃ!」


「私が切り伏せましょう…!」


 ―――――そうして侍女たちの犯行は未然で防がれた。










 アークは一騒動あったものの、与えられた部屋に戻ってきた。サクラが同じ部屋がいいと駄々をこねたが、さすがにダメだろうと遠慮した。


 アークは悶々としていた。始めて性行為をしたことにより、自分の性欲の膨大さに気づいてしまったのだ。これはまずいと考えていると、クレアが喋りかけてきた。


《―――アーク、そろそろ精霊召喚をしてみませんか?》


 ああ~、精霊召喚か。召喚した精霊と契約するやつね。


「うん、いいね。やろっか。」


 この時クレアはあることを企んでいた。クレアはアークの内心を読み取ることができる。アークの望みを叶えるために、また、自分の悲願を達成させるための行動に出た。


《―――では、私が全て行いますので、安心して見ていて下さい。》


「あ、うん。助かるよ。」


《―――それでは始めます。〔精霊魔法〕と〔創造魔法〕を併用して発動。―――成功しました。精霊召喚の術式に〔創造魔法〕を組み込みます。―――成功しました。新たな精霊体の作成を開始。精霊王のデータをベースに作成します。―――――――――――成功しました。これより、召喚を開始します―――――》


 なんだかすごいこと言ってるような…まあいいか。頑張れクレア!


 そうすると、10歳くらいの銀髪のエルフのような女の子が現れた。若干浮いているのだが、精霊なのだろう。背中には魔力で象られた透明で綺麗な羽が2対存在しており、白いワンピースと相まって神秘的に感じられる。


「―――アーク…!やっと会えた……!!」


 そう言って抱きしめられた。え!!初対面ですけど!―――ん?でもこの声聞いたことが……


「……クレアなの?」


「……っ!はい!クレアです!」


 その時、クレアの体から光が溢れだし、その光がクレアに吸い込まれていった。アークは無意識のうちに名付けを行ってしまったのだ。


「……また名付けの効果が出ましたね。改めて、よろしくお願いしますね。アーク。」


「あ、あぁ!よろしくね。…それにしても……可愛すぎるよね…!」


「ふふふ…アークの頭の中の好きなタイプを分析した結果、こうなりました。―――まさに、理想の彼女ですね?ふふ。」


「か!彼女って、!」


「あら、私は最初っからそのつもりでこの体を手に入れたのですよ?…だから、私ももらって?」


 うっ!こんなに可愛い子から言われるとしょうがないよね…


「ふふ。じゃあ、よろしいってことで。」


「え!心の声聞こえるの?」


「はい。クレアですので。」


 そうなのか……じゃあ、今の状況も…


「ふふふ…そのために召喚を行うように声をかけたので。それじゃあ、ベッドに行きましょうか。鎮めて差し上げますよ?」


 今回はしっかり音を遮断する結界を張った。そして、我慢できないと、クレアはアークに飛びつき、唇に吸い付いた。


 ちゅーっ。ちゅ。ちゅ。れろ。くちゅくちゅ。―――――


 キスをしながらお互いの服を脱がしていく。


「―――では、挿入ますね?―――――んっ!」


「―――あぁっ!」


 クレアは今までの我慢を全てぶつけるようにアークの唇に吸い付きながら腰を振り続けた。





 ―――こうして、3時間も搾り取られた。アークは気を失うように眠りについた。


「毎晩お相手してあげますからね?」


 そう言ってちゅっ。と口づけをしてから消えた。












 翌朝、アークは朝早く目覚めた。習慣付いているため、いつもこの時間である。


《―――アーク、おはようございます。昨夜は気持ちよかったですね?》


「お、おはよう。昨日はありがとね、鎮めてくれて。気持ちよかったよ。」


《―――はい。毎晩お相手致しますね。》


 えっ!毎晩って…抑えられなくなったら、頼むからね…


《―――はい。抑えられなかったら……ね?》


 これはクレアから襲う気満々である。そんな予感がしたが、お面を付け、毎朝の稽古に向かう。


 クレア、中庭ってどこだっけ?


《―――はい、5階の食堂前の通路を進んだ先です。》


 そう言われ、指示通りに進んでいった。朝早いからなのか、誰ともすれ違うことなく中庭に出た。


 そこでお面を外し、いつもの稽古に入る。〔結界魔法〕で床を発生させ、それに乗り行う。〔力学魔法〕により自身の周りに重力場を発生させ続け、更に、刀の重さを5倍にする。また、その重力場内で各属性魔法の球を発生させ、〔多重思考〕で自分の周りを回遊させる。


 1時間ほど続け、一旦やめた。アークは毎日これを続けてきたが、なんだか物足りなくなっている。実戦をやりたいというわけではないが、実戦に近いものを取り入れたいと思っている。


 今度剣術を教えているところを覗いてみようかな?


《―――アーク、私が指導しましょうか?》


 え、できるの?


《―――はい。実体を得たので、可能です。私にはありとあらゆる剣術の情報がありますので!》


「おぉ-!すごいね!早速やろう!」


 そういって精霊召喚を行う。そうすると、何もない空間から魔法陣が浮かび上がり、クレアが現れた。


「では、始めましょうか。アークは基礎しかやっていなかったので基礎は完璧です。まあ、若干私が修正していたのもありますが。」


「え!そうだったんだ!ありがとう!」


 正面から満面の笑みを向けられたクレアはマジ照れして赤面した。


「―――っ!///いえ!それくらい、当然のことですので…!」


 アークはそのことに気づかず、話を続けた。


「まず何からやるの?」


「―――はい、まずは歩法からやりましょう。様々な剣術を比較してみると、やはり歩法がしっかり確立されている剣術の方が強いですからね。」


「そうなんだ!分かった。」


「歩法で大事なのは、軸がぶれないことです。足運びはすり足を意識して下さい。細かいことは直接脳内に送りますね。」


 そう言って、唇を奪われた。


 ちゅうー。ちゅむ。ちゅ。れろ。くちゅくちゅ。ちゅぱっ。


 歩法についての情報が流れ込んでくる。しかし、わざわざちゅーする必要はあるのだろうか……嬉しいんだけどさ。


「もちろんありますよ?ふふふ…」


「うっ…そ、そっか。じゃあ始めよう!」


 あまりにも色っぽいので息子が反応しそうになるが、なんとか抑えて先へ促す。


「―――はい、まずは最初なので、〔木魔法〕でつくった厚めの木板を頭に乗せて、歩法を意識しながら移動して下さい。情報を直接脳内に送ったのである程度はできると思いますが、実際やってみると最初は難しいと思いますので。」


 クレアに言われるがまま、歩法の修行に取り組む。


 最初はうまくできずに苦戦したが、10分も続ける内に様になってきた。


「アーク、良い感じですね。それでは、木板を1枚増やして下さい。」


 またも言われるがままに従う。今度は2枚になり、難しさが違う。さっきまでやっていた歩法はまだまだだと実感しながらも、精度をしっかり上げていく。


 今度は30分程かかったが、さっきより格段に良くなっただろう。しかし、まだまだ甘いとは思っているので、この修行は毎日繰り返してやろう。


「―――おや、誰か来ますね。では、アーク。また夜に……」


 そういって息子を掴み上げ、唇を奪われた。そしてクレアは透けるようにいなくなった。


 クレア!人が来るのに起っちゃったらどうするのさ!


《―――ふふ…悪い噂が立っちゃいますね。》


 なんとか起たないように堪えていると、ケンシンがやって来た。


「おう、朝から良い心がけだな。オレも朝運動をしようと思ったんだが、昨日お前とシオリがヤッちまったからミーシャが発情してよ…2時間も搾り取られたぜ……」


「あぁ…ご愁傷様です……」


 まぁ僕は合計4時間なんだけどさ…


《―――今日も4時間になさいますか?》


 いえっ!今日は1時間程でお願いします!


《ふふっ。言質は取りましたからね?覚悟して下さいね。》


 あぁ!嵌められた!!


《―――嵌められるのは、私ですよ?…ふふふ。》


 ―――誰が上手いこと言えと……


「そう言えば、ケンシン様のステータスってどんな感じなんですか?」


「あ?オレか?“開示”。ほれ。」


【ステータス】

 ケンシン=フォン=ロイ=シンラ

 年齢:29歳 Lv.246

 種族:人族

 職業:国王 剣士

 称号:【シンラ国王】【刀王】

 ●能力

 固有能力:【シンラ刀王術】

 属性魔法:〔火炎魔法Lv.8〕〔聖魔法Lv.5〕〔無魔法Lv.15〕

 特殊魔法:〔雷魔法Lv.3〕〔鑑定魔法Lv.8〕

 固有魔法:〔生活魔法Lv.8〕

 スキル:〔刀王術Lv.7〕〔剣王術Lv.3〕〔身体制御Lv.7〕〔魔力制御Lv.3〕〔カリスマLv.9〕〔超感覚Lv.5〕




 おおー!すげー!なんか進化して鍛え上げられた細マッチョみたいな能力!


「…すごいですね!」


「まあな?伊達に国王やってるわけじゃないんだぜ。」


 さすがは一国の王って感じ…!



―――――――――――――――



作者自身も書いててやりすぎたかな……って思いましたが、このまま行きます…。


不快に感じられる方もいらっしゃると思いますが、何卒、よろしくお願いします…。


今後は減っていきます…。

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