第5話 修行の内容と旅立ち ☆

【ステータス】

 アーク

 年齢:6歳 Lv.27

 種族:ハーフエルフ?(強制隠蔽)

 職業:神ノ使徒

 称号:【転生者】【時空神の婚約者】【精霊に愛されし者】

 ●能力 

 固有能力:【叡智ノ書庫アカシックレコード】【精霊ノ寵愛】【闇夜ノ血脈】

 属性魔法:〔火魔法Lv.3〕〔水魔法Lv.3〕〔風魔法Lv.5〕〔地魔法Lv.2〕〔木魔法Lv.3〕〔光魔法Lv.2〕〔闇魔法Lv.2〕〔無魔法Lv.4〕

 特殊魔法:〔創造魔法Lv.3〕〔鑑定魔法Lv.5〕〔時空間魔法Lv.2〕〔隠蔽魔法Lv.5〕〔力学魔法Lv.3〕〔結界魔法Lv.4〕

 固有魔法:〔精霊魔法Lv.2〕〔血魔法Lv.3〕〔生活魔法Lv.6〕 

 スキル:〔剣術Lv.6〕〔体術Lv.2〕〔魔感覚Lv.2〕〔思考加速Lv.5〕〔多重思考Lv.3〕〔調理Lv.5〕



 修羅のような修行に入り、5ノ月が経った。現在は2ノ月なのだが、気候の変化はない。四季はないようだ。


 5ノ月が経った。その一言で纏めてしまうと簡単である、しかし、濃い5ノ月であったことは現在のステータスが物語っていよう。新しく増えた能力たちを紹介するついでに、この期間なにが起きたのか、軽く説明しようではないか。






 まずは属性魔法の修行方法からやっていこう。


〔火魔法〕は、おもに調理の際に使用している。また、〔水魔法〕〔地魔法〕〔木魔法〕も併用している。


〔火魔法〕は加熱するのに使い、細かい火力調整で熟練度を上げている。〔水魔法〕は、飲料水だったり、調理水だったりで使う。〔地魔法〕は、鍋をつくったり釜をつくったりで使う。〔木魔法〕は、薪の生成である。


 調味料は創造魔法で塩や醤油などを創り出し、使用していたので、味はバッチリである。


 調理だけでは〔水魔法〕〔地魔法〕〔木魔法〕の熟練度はなかなか上がらないので、〔水魔法〕は水で魚を形取り、空中で泳がせるといった遊びをしていた。これがなかなか難しくもあり、楽しいのである。


〔地魔法〕〔木魔法〕は、それぞれ土と木でフィギュアを精密につくっていた。かなり熟練度は上がったと思う。


〔風魔法〕は、主に狩りに使っていた。また、剣術と〔無魔法〕も併用している。


〔風魔法〕と〔無魔法〕は身体強化や加速に用い、剣術でとどめを刺すといった感じである。この3つは魔物を倒すので、レベルが上がりやすくなっていた。


 まあそれは仕方のないことなので、いいとしよう。


〔光魔法〕〔闇魔法〕はなかなか使わない。〔光魔法〕は治療や浄化で使いはする。しかし、〔闇魔法〕はほんとに使っていない。


 今のところ困ってはいないので、大丈夫だろう。






 続いて、特殊魔法と固有魔法の修行を解説しよう。


〔創造魔法〕は言わずもがな、スキルを創ったり、調味料を創ったりしている。しかし、魔力消費が大きいので、レベル上げはなかなかハードである。


〔鑑定魔法〕は使える薬草を集めるのに使ったり、魔物を鑑定したりと、そんな感じである。無理して同じものを鑑定することはしていない。魔力の無駄である。


〔時空間魔法〕は、これまた魔力消費が大きい。使ったのは10回程度で、ワープしてみたり、創造魔法でポーチを創り、そのポーチの容量をめちゃめちゃ広げてみたりした。気合いを入れてポーチの拡張を行ったら意識が飛びそうになったのはここだけの話である。……あと容量が無制限になってしまったことも。


〔隠蔽魔法〕〔結界魔法〕は、野営するときに使ったり、戦闘回避に使用している。一度獣人族と遭遇しそうになったが、なんとか匂いまで隠蔽してやり過ごした。咄嗟の判断は功を奏していたのである。獣人族は嗅覚が優れているので、匂いを辿り、見つかっていた可能性があった。


〔生活魔法〕は、特に使ってはいない。本来は、調理や掃除等に使われるのだが、アークは他の魔法を使っているので、使わなくても問題はないのだ。しかし、レベルはめちゃめちゃ上がっている。謎である。


〔精霊魔法〕は、他とは扱いが異なる。生活している上で、気になってはいたが余り触れないようにしていた、精霊がとうとうアークの無視に耐えきれなくなり、怒り出したのである。怒っている精霊のあまりの可愛さに精霊魔法に手を出すことに決めたのだ。


〔精霊魔法〕は、各属性の精霊に意思を込めた魔力を送ることにより、精霊が代わりに魔法を放つといったものである。魔力効率がよく、エルフはよく冒険者に優遇されている。


 また、〔精霊魔法〕には契約というものができるらしく、中位から上位の精霊を呼び出し、気に入られたら契約することができるという。まあ、まだいいやって感じである。


〔精霊魔法〕のレベル上げは契約してからでぃぃかなと思っているので、今は一旦保留である。


〔血魔法〕は、思っていたよりすごい魔法であった。血を操ってかぎ爪のようにすることもできるが、一番すごいのは体内の血液に魔力を通し、循環させることで、爆発的な速度と力を発揮することができる。これは熟練度を上げておく必要があると感じたので、起きているときはずっと発動させ、体内を循環させている。


 最後は、〔力学魔法〕である。これを創り出したのは、狩りをしているときに、遊びで考えついたことがきっかけである。


 剣を振っていると、切り返しの時に腕に負担が大きくかかってしまう。それを解消しようと、編み出したのが、この〔力学魔法〕である。慣性を操作することにより、剣の軌道を不規則に変化することができるようになった。


 あり得ない軌道を描いて剣を振られることは絶望でしかないだろう。我ながら面白いものを創り出したものである。


 今後レベルが上がれば、敵が放った魔法を受け流したり、跳ね返したりできるようになるかも知れない。なた、重力場とかもつくれそうである。今後が楽しみである。





 スキルについては、剣術がレベル6となり、魔力感知、魔力操作がレベル10になり、統合され、魔感覚に変わったことが今までの成果であろう。


 思考加速は、試しで創ってみたら良い感じに戦闘や普段の生活に役立っているので、面白い。更に、多重思考というスキルも創ってみた。こちらは修行に最適であった。思いついたらいろんな魔法やスキルを創ってみようと心に決めた。



 大分テキトーになってしまったが、許して欲しい。


 とにかく戦闘は極力控えていたので盛り上がりに欠けていることは分かっているのだ。


 これからは戦闘していくので、勘弁してほしい。


「あれ、僕は誰に謝ってるんだろう…?」


 そんなことを呟きつつ、旅支度を始めた。この森に転生して半年。いろいろなことがあったが、案外楽しかった。


「人のいる街ってどんな感じなんだろうね。楽しみだ。」


 アークの目的地はもう決まっている。多種族国家 ファームル王国である。種族差別が全くないらしいので、いじめられることはないだろうということと、一番近いからである。


 そうして、旅支度を済ませると、頭上から何かが落ちてきた。


「ん?なんだこれ?狐のお面…?あ、手紙が付いてる。」


 差出人不明であったが、なぜか大丈夫だろうという確信が持てたので、読んでみる。


「なになに…?『お前さんは自分の顔を見たことがあるか?お前さんは、最強にかっこよく、かわいい顔をしておる。だからこのお面を普段から付けておくのじゃ。さすればのらりくらり渡っていけるじゃろうて。いつか相まみえようぞ、愛しい子よ。爺より。』…じいちゃん?んー。神様に今度聞いてみよう!」


 転生させたのはオルタなので、アークの存在を知っているのはオルタとナナ、あとは神様の誰かかくらいであろう。そんな中、贈り物をしてくる存在にちょっと恐怖を覚えながら、忠告に従い、お面を付ける。


「僕ってそんなに顔面強いのか…?そーいえばまだ見たことなかったけど…」


 そう言って〔水魔法〕で大きめの水球をつくり、平べったくしてみる。そしてお面を取ってみると、あらびっくり。そこにはなんと、絶世の美少年が!―――って、ちょっといじった僕じゃん。


「え、あんまり変わってないじゃん。ここはキレッキレのイケメンにするお約束でしょうに…」


 銀髪の長髪に碧眼、少し尖った耳。アークは前世とあまり顔つきが変わっておらず、髪の毛と目の色、耳しか変わっていないとちょっと落ち込んだ。


 もともと祐太は美少年であり、尊すぎてあまり周りが近寄ってこなかっただけであったので、祐太自身は自分がモテていたなどとは思ってもいなかった。


 現在のアークをみた者は、100人中100人が最強の美少年と答えるであろう顔をしている。


「―――まあ、一応お面は付けるか。」


 確認し終えたので、さっさと出発する。


「じーちゃん?かは分からないけど…ありがとね!また来るよ!バイバイ!」


 そう言い残し、お面を付けてから駆け出す。






「ほっほっほ。いったようじゃの。あの子がナナ様を射止めた者ですか…そしてオルタ様が選んだ者…」


 手紙の差出人は1人呟いた。


「ん、この先にシンラの者共がおるようじゃの。なにか縁がありそうじゃからケンシンの奴に知らせておくかのぉ。ほっほっほ。」


 そして一瞬でいなくなった。









 アークが駆け出して10分程…


 成長の森に入り、あと20分程で抜け出せるといった所まできたが、突如戦闘音と叫び声が聞こえてきた。


「あれ?なんか戦ってる?…人だったら道案内とかしてもらえそうだし、助けに行くか!」


 そして物語が動き出す。









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