第26話 性欲制御と夕食の打ち合わせ ☆
学校生活2日目を迎えた。アークの顔は、なぜかツルツルと光り輝いているように見える。
昨夜、アークは食事から帰り自分の修行を行っていたのだが、クレアの宣言どおり2時間早く修行が終わった。そして、お風呂に入ると、クレアも一緒に入ってきたのだ。クレアはここでできるだけアークから搾り取ろうとしたのだが、何発射精しても全く衰えなかったのだ。更に、逆に襲われそうにもなった。
さすがにヤバいと思ったクレアは名案を思いついた。それは、アークに新しいスキルを創り出すことである。そのスキルとは―――
〔性欲制御〕である。
このスキルを獲得できれば、暴走することなく気持ちいいエッチができるはずである。そう信じ、クレアはこのスキルを創った。
【ステータス】
アーク=フォン=フォレストブルム
年齢:6歳 Lv.45
種族:ハーフエルフ?(強制隠蔽)
職業:神ノ使徒
称号:【転生者】【時空神の婚約者】【精霊に愛されし者】【シンラ国公爵】
●能力
固有能力:【
属性魔法:〔火魔法Lv.4〕〔水魔法Lv.5〕〔風魔法Lv.7〕〔地魔法Lv.5〕〔木魔法Lv.5〕〔光魔法Lv.6〕〔闇魔法Lv.5〕〔無魔法Lv.6〕
特殊魔法:〔創造魔法Lv.6〕〔鑑定魔法Lv.6〕〔時空間魔法Lv.6〕〔隠蔽魔法Lv.Max〕〔力学魔法Lv.6〕〔結界魔法Lv.6〕〔幻影魔法Lv.1〕
固有魔法:〔精霊魔法Lv.8〕〔血魔法Lv.6〕〔生活魔法Lv.7〕
スキル:〔中級剣術Lv.6〕〔刀術Lv.6〕〔身体制御Lv.2〕〔魔感覚Lv.6〕〔思考加速Lv.9〕〔多重思考Lv.5〕〔調理Lv.5〕(〔超絶倫Lv.1〕〔性欲制御Lv.1〕隠蔽中)
そうすると、アークはだんだん落ち着いてきたようだ。スキルの効果が現れ始めたのだろう。
「―――クレア、ごめんね…。なんだか落ち着いてきたみたい。」
「ふふ。大丈夫ですよ。」
こうしてクレアの活躍により、アークは婚約者たちを壊さなくて済んだのだった。
アークは朝5時に起きて、いつものように修行を開始する。修行場所は〔時空間魔法〕により作成された部屋で行うことにした。
朝の修行は、魔法を用いた基本稽古である。〔結界魔法〕で床を発生させ、浮かせる。それに乗り、〔力学魔法〕により自身の周りに重力場を発生させ続け、更に、刀の重さを5倍にする。また、その重力場内で各属性魔法の球を発生させ、〔多重思考〕で自分の周りを回遊させる。
そして、歩法を鍛える際は〔木魔法〕でつくった厚めの木板を頭に5枚乗せ行い、素振りを行う際は〔結界魔法〕で少し大きめの球体をつくり出し、その上でバランスを取りながら行う。どちらも〔力学魔法〕による重力の影響によりかなりキツいのだが、なんとかこなしていく。
いつもならこれを2時間やるのだが、最近【クレアブルム流刀術】をクレアと共に創り出し、それの修行もしたいと思っていたため、1時間で切り上げ、もう1時間は【クレアブルム流刀術】の修行を行う。
【クレアブルム流刀術】は、アークとクレアが様々な情報を【
しかし、アークはこれをマスターしきっていない。クレアでさえもまだまだ未熟であると自分を評価したこの【クレアブルム流刀術】は、まだまだ発展途上であり、完成することはない。可能性が無限大な刀術である。
今回の刀術の修行は、朝の1時間しかないため、ひたすらクレアとの模擬戦を繰り返す。
そしてアークは結局1度もクレアに勝てないまま1時間経過し、朝の修行を終える。
詳しい【クレアブルム流刀術】の技や修行内容は、後日時間と取って説明しよう。
授業は8時からとかなり早い時間から始まるため、7時に修行を引き上げた。体に浄化をかけ、さっぱりとしたアークは、朝食を自らつくって食べ、制服に着替えてお面を付け、部屋を出た。
アークは2日目であったが、教室の位置や様々な部屋の位置は大体把握していた。まあそれはクレアのおかげなのだが。そのため、スムーズに登校することができたのである。
アークが教室に入ると、まばらに生徒が席に座っていた。アークは注目を浴びつつ席に着き、お面を外してサクラに話しかけようとした。
―――っ!!
教室内が若干ざわめいたが、まだ慣れないのだろう。仕方がないと思いつつも、早く慣れてほしいものである。
「おはよう、サクラ。寝る前にちゃんと修行のやつやった?」
「おはようございます、アーク様!もちろんやりましたよ。少しは成長したと思います!それにキチンと魔力をいっぱい使ってから寝ました!」
サクラは言いつけ通りしっかりこなしたようだ。そしてサクラはさっきからチラチラとこちらの様子を窺っていたミカゲとミルに声をかけた
「ミカゲちゃんとミルちゃんはしっかりと修行しましたか?」
「…う、うん…!ちゃんとできたわ……。」
「は、はいです…!やりましたです!」
「あ、おはようミカゲさんにミルさん。」
ミカゲとミルはアークにおはようと言われ、顔を赤くしながらもなんとか挨拶を返す。
「…お、おはようアーク君…!あ、あの私のことは、ミカゲって、呼んでほしいの…!」
「あ、おはようです…!ミ、ミルもミルって呼んで下さいです!」
「うん、分かった、じゃあ僕のこともアークって呼んでね。あ、でも呼びづらかったら好きなように呼んで大丈夫だから。よろしくね、ミカゲ、ミル!」
ミカゲはようやくさん付けをやめてもらえ、少しは距離が縮められたことに内心歓喜した。ちゃっかりミルも乗っかっていることは少しは気になったが…
「よろしくね、アーク…。」
「よろしくです、ア、アークくん…!」
ミカゲは思い切って呼び捨てで呼んだが、ミルはくん付けで呼ぶようだ。
「あ、今日の夕食のことなんだけど、ミカゲは大丈夫そう?侍女さんとかに話してある?」
アークは昨日言っていた夕食の件について聞いてみた。ミルはいつも食堂らしいので大丈夫だろうと敢えて聞かなかった。他にもツバキとジンもいるが、あとで聞けばいいだろう。
「う、うん…!大丈夫よ。話はしてあるから。」
「よかった!今日の修行も頑張ろうね。」
「あ――うん……///」
ミカゲは天使のような微笑みをするアークに一瞬意識が飛びかける。そして、微笑みかけられたミカゲはもちろん、遠巻きから見ていたクラスメイトたちも顔を赤くしていた。
そんな中、ジンとツバキが教室に入ってきてアークたちの会話の輪に入ってきた。
「やあ、おはようアーク。それにサクラ様、ミカゲ、ミルさんも。」
「おはよう、皆さん。今日の夕食はいらないと侍女に伝えてきたわ。」
「ああ、おはようジン、ツバキさん!丁度夕食について話してたんだ。ジンも大丈夫そう?」
「ああ、僕も伝えてきたんだけど、ちょっと悲しそうな顔をしていたね…あはは。」
ジンの侍女は料理好きなようで、廻の半分はジンにつくってあげているのだが、その日が丁度この日と被ってしまったのだ。
「ああ…。なんだか申し訳ないことをしたね…。ごめんなさいって言っておいて。」
「ははは、大丈夫さ。その代わり3日連続で自室で食べることになったから気にしないでいいよ。」
そんな会話をしていると、ガラガラと勢いよくドアが開かれ、ジュウベエが入ってきた。
「お前らー、席に着けー。出席取るぞ-。」
気だるげに入ってきた担任教師は、慣れた様子で出席の確認をし始めた。
「よーし、全員いるな。今日は、午前は座学で午後は訓練場だ。なんか特別講師がくるだとかなんとか学院長が言ってたから、お前ら楽しみにしとけよ。じゃあなー。」
言うだけ言ってジュウベエはそそくさと教室を出て行った。ジュウベエは主に実技系の教師であるため、座学は専門の先生が来る。そのため、ジュウベエは他のクラスの実技の授業のためにすぐ移動していった。
「お爺さまが直接依頼したんでしょうか?なんだか楽しみですね、アーク様!」
「うん、そうだね。でも僕は特別講師とか言われてもよく分かんないや。」
アークは学校2日目であるためあまり分かっていないのだが、本来特別講師とは中々来ないものである。まだ1年生である皆にもそれを知ることはなく、全員が軽い気持ちで特別講師を待ちわびていた。
座学の授業はやはり退屈であった。アークは昨日行っていた〔幻影魔法〕を用いたクレアとの模擬戦をひたすら繰り返し、時間を潰した。お昼は食堂でクラスメイトとヤマトに囲まれながら食事をした。
「―――なんでヤマト爺はいっつもいるの?」
「ほっほっほ。儂がいるから周りの生徒も近寄って来れんじゃろ?お主のためじゃ。ほっほっほ。」
「……実は寂しいだけですよね?」
「んな…!なに言っておるんじゃ。そ、そんなことないわい!」
―――あ、図星……そういうことにしておいてあげよう。
「あ、ヤマト爺、特別講師ってどんな人なんですか?」
「うむ、お主は知らなかったのじゃな。てっきり知っているもんじゃと思っておったが。……お主の顔見知り、とだけ答えておこうかのぅ。ほっほっほ。」
むむむ。めちゃめちゃ気になる……。まあ会ってみれば分かることだし今は気にしないでおこう。
そうしてお昼を食べ終え、午後の実技の授業を行う訓練場へ足を向けた。
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