概要
これはその町で主人公一ノ瀬十香が出会う一つのお話と、すれ違う四つのお話。
風祭今日子、和菓子屋でアルバイトをする女性。彼女には諦めきれない夢があって……。
湯本康二、小学校教師。彼は最近妙に子供の頃のことを思い出していた。そこにはある心霊写真が関わっていた。
雲川深雪、着物屋の若き店主。親友との会話を切っ掛けに彼女は思い出す。高校時代の初恋のことを。
宮下遥、龍の女の子。彼女は無くした自分の記憶を探していた。
大平遼太郎、町を出て行った男性。ある出来事を切っ掛けに数年ぶりに籠根町に帰ってくる。そこで彼は大切な人と想いに再会する。
彼らの物語を一ノ瀬十香が、出会い、すれ違い、繋いでいく。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!夢見る龍は人々の記憶の欠片を胸に、星へと至る。
とても素晴らしい作品です。群像劇ながら破綻を見せず、最後まで余韻を残す。作者様の時間軸と場所軸に対する強さが、まざまざと見せつけられた一作でした。この作品を読まなかったら、後悔していたと思います。
物語が展開される場所は、籠根町という架空の町だ。その町では竜の卵を祀る神社があり、年に一度、龍神祭が行われている。
そこで観光客向けにドラゴン饅頭、約して「どらまん」を売る女性。それがこの物語の最初の主人公だ。そこに不思議な雰囲気をまとった旅の女性が現れ、どらまんを大量に買っていく。女性はこの町の言い伝えに興味があるらしい。
この町の神社では、男の子と女の子が、神隠しに遭っていたのだ。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!きみにまた会えるための、すれ違う四つのお話。
本作のあらすじには
「龍の伝説が残る町。籠根町。
その町で主人公一ノ瀬十香が出会う一つのお話と、すれ違う四つのお話。 」
とあります。
籠根町を舞台に繰り広げられる優しく、甘酸っぱく、少し苦い四つのエピソード。
全ての登場人物が愛おしく感じられる青春譚となっているのですが、最後まで読んだ印象としては、あらすじの中の「すれ違う四つのお話。」という部分が重要に思えました。
ちなみに、本作のキャッチコピーは「龍の町が舞台の群像劇」です。すれ違う四つの話は独立したものはなく、あくまでゆるく繋がり、あらすじ通りに、すれ違っていきます。
登場人物がすれ違っていく中で、一つの意思を持…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これぞ、ライトノベル!!!
いつも、楽しく読ませて頂いております。
物語が完結してからレビューしようかと迷いましたが…この作品をもっと多くの方に読んでもらいたく、頑張ってレビューを失礼します。
拙い文章しか書けない私には、こちらの小説の優れた文章力が、とても勉強になりました。語彙力不足ですみません (汗)
とにかく、綺麗な文章力に圧倒させられました。
なんだか、その情景が目に浮かぶのです…そして、自分も物語の中にスッと入り込める……。これは、独特な物語の力でもありますね。私は、この世界観が好きです。
ライトノベル好きの私ですが、この作品こそがライトノベルだ ! …と、感じました。
是非、ライトノベルが好きな方や、…続きを読む