黒澤伊織

アメリカの大統領にＡＩがなり、そこに「日本」も絡んでくるという、ぶっ飛んだ設定ながら、説得力もあり、何より「面白い」、ＳＦ短編でした。

天才女子高生の活躍を描く、青春小説。物語の中の、キーになるポイントで、医学の知識や、理系的なギミックが使われるのですが、それが素晴らしい。たしかな知識と、きちんと構成され練られたス…続きを読む

自殺しようとした主人公が、とある男と出会い、共に生きる中で、何かを見出してゆく物語。 幻想的な世界観と、キャラクターで彩られた、心の成長物語です。少年の心の葛藤、鬱々としたもの、…続きを読む

パラレル宇宙という設定で、「あっちの宇宙」と「こっちの宇宙」という、超壮大な舞台設定の中で繰り広げられるＳＦアクション小説。 しっかりした描写で、作者さんの、楽しんでこの世界を描…続きを読む

ファンタジーだけど、最近流行りの異世界転生とか、コメディ的な軽い作品ではありません。 少年と少女の出会いと、闘い――王道です。その世界にどっぷりと浸かり、登場人物と共に「生きる」…続きを読む

現実社会を舞台に展開される、膨大な知識に裏打ちされた、しっかりとした物語です。 銃火器の扱いや、ハイジャックでの飛行機内部の描写、細かい描写のリアリティが素晴らしく、引き込まれて…続きを読む

人工知能に支配された未来を描いたＳＦ短編。

構成も面白い、切れ味の良い短編です。幻想的な世界と、ＳＦ的な無機質さの両立が、うまいこと描けていると感じました。

熱意がすごい。冒頭だけでも読んでもらえれば分かりますが、飛ばしています。ラストまでフルスロットル。アクセル全開です。 ＳＦですが、いわゆる「よく練りこまれた出来の良いＳＦ」ではあ…続きを読む

文章や構成は、一人称ですらすら読める携帯小説風なのに、内容が「離島の小学校に赴任した新米先生」という、その合わせ方が斬新に感じました。 文章はめちゃめちゃ読みやすいです。主人公の…続きを読む

新撰組のキャラで、軽快なコント調のストーリーを紡ぎます。何言ってるんだか分からないでしょうが、読んでみれば分かります。続き、楽しみにしています。作者さんに届け、この気持ち☆

メガネを臓器と捉えるセンス、素敵です。今までそんなふうに考えたことがなかったけれど、本当にメガネは臓器ですね。

笑う、って人間にしかできないことだと聞いたことがありますが、本当、人間らしい感情だと思います。笑うって、いいことですね。

小説にはいろいろな楽しみ方があると思いますが、その中の一つに、知らない世界を知れること、というのがあると思います。 そういう観点でいえば、この小説は、えらく珍しい、そしてほとんど…続きを読む

ドタバタ騒動のラブコメ、と作品紹介にあるとおり、本当に楽しい小説でした。 ラブコメだけど、きわどいシーンとか無いから、お子様でも（お子様がカクヨムにいるのかは知りませんが）安心し…続きを読む

中学３年の夏休み。親戚のおじさんとの、会話。

シンプルで、これ以上何もいらないし、何も減らさなくていいし、といった、短編小説。青春です。ちょっと、ジーンときました。

現代世界と、ファンタジーと、ＳＦが入り混じったような、独自の世界観の中で繰り広げられるストーリー。まず、この世界観だけでも、一読の価値があります。 月並みな言い方ですが、ストーリ…続きを読む

テロや闘いが当たり前の、ディストピア感のある世界で、主人公の少年が、仲間の少年少女と共に、闘いの中で生きる日々を描いた小説。 特筆すべきは、バトルシーンの筆致の確かさ。手に汗にぎ…続きを読む

バーという舞台設定、そこでの色とりどりの美しく美味しそうなカクテル。謎の暗号。ハイセンスな章タイトル。 おしゃれです。美しい。隅々まで様式美を感じるような小説。 当然のように、…続きを読む

３章「ゴッドブルー」まで読んだところでのレビューです。 レベルの高い群像劇ミステリーです。一つの事件に、いろいろな人の行動、他の事件が絡まっていく。 軽いところのない、一般文芸…続きを読む

ショートショート集。短いものは１分もかからずに、長いものでも３分くらいで読めるほどの、どれも短いお話です。 かなりテーマが独特です。哲学的というか。宇宙の終わりとか、考えさせられ…続きを読む

人間が「死」を克服し、肉体の死の後も、仮想空間で生き延びている、という世界を描いた短編。 死があるからこそ、生を感じられる。そういった、当たり前のことを再確認させてくれる、すばら…続きを読む

キャラクターがすごく愛らしく、楽しい小説です。 主軸のラブストーリー＆冒険譚に、からんでくる八百万の神々が見どころ（読みどころ）！ 名前は知っているけれど、なじみがないような神…続きを読む

きらめくような高校生の青春ストーリー。クラスで全然話したことのない暗い女の子に、プリントを自宅まで届けに行くところから、始まる物語。 明るい、きらきらしたストーリーではありません…続きを読む

障害者に対する「保護」が執行されるようになった社会を描いた短編小説。 誰かを、何かを排除することで、いつ、自分がその「誰か」や「何か」の側に回るかもしれない。昨今の情勢を、うまく…続きを読む

途中までの読了ですが、レビューを。というのは、面白いので。エッセイの場合は１話完結ですから、数話おもしろければ、全部面白いです。 ということで、このエッセイは絶対に面白いです。何…続きを読む

徹頭徹尾、お好み焼きについて語った短編小説。 お好み焼きに、こんなに種類があるなんて知りませんでしたよ。なんか、広島の居酒屋の喧騒が伝わってくるような、超ローカル短編小説でした。…続きを読む

おとぎ話の世界を、あますところなく表現したような、美しく、かわいらしい小説です。 主人公は、人形のための服や靴などを売るお店――ドールブティックで働く少女。 美しい世界観に負け…続きを読む

俳句と、その俳句にまつわる事物についてのエッセイ。 今まで俳句は読むことも詠むこともなかったのですが、このエッセイで、俳句って面白いんだな、と初めて感じました。 正直、俳句だけ…続きを読む

いろいろな恋心を描いた短編集。現在、公開されている第３話まで読みましたが、どれも良いです。 すごく視点が落ち着いていて、大人の目線というか、落ち着いて読んでいられます。読みやすい…続きを読む

新潟県の田舎から、都会（新潟市）へと引っ越した、子供時代の思い出をつづった短編小説。 すごく共感できる話でした。街コンの銀賞に輝かれたそうで、それも納得のクオリティです。臨場感あ…続きを読む

鬱々とした思春期の、重苦しいもやもやとした感受性を、軽妙な語り口と、切れ味のいいストーリーで表現した快作。 ラブコメですが、これを読んで思ったのは、思春期小説だな、と。大人になる…続きを読む

戦争に出征して以来、帰らない夫を、駅舎で待ち続ける祖母の話。 すごく、いい話でした。ああ、小説を読んだな、という満足感にひたっております。短編だし、とりあえず読んで、とだけ言いま…続きを読む

ＳＦの面白さは、その世界観の面白さだと思っているのですが、それを純粋な形で表現してくれた短編小説です。 小説というよりも、用語解説なのですが、その用語解説を並べることにより、ひと…続きを読む

作品の登場人物たちを登場人物にした――小説書きをメタから眺めた短編小説。登場人物たちは、パソコンの中で、次の動きを待っているんですね。なんか、創作意欲を後押ししてくれる作品です。

まさか、こう展開するとは。オチとかじゃなく、今までの話は何、というくらいのぶっ飛びようが素敵です。意味がわからないのだけれども、それを無理に良い話的にまとめているのが、また素敵です…続きを読む

ラストで、ああ、そういうことかと納得！　ぞわっとしますね。日常から、サイコパスの猟奇殺人鬼が顔をのぞかせた感じ。これだけ短い短編で、これほどの怖さの「オチ」にまで持ってこれるのは、…続きを読む

オレオレ詐欺を舞台にした、１０秒で読めるシチュエーションコメディ。次の話、次の話と、クリックする指が止まりません（笑）

米業界（？）でも、こんなドラマが繰り広げられていたなんて……。

瀬をはやみ　岩にせかるる　滝川の 別れても末に　逢はむとぞ思ふ

という短歌を思い出しました。

猫にまつわるショートストーリー集。猫いいなぁ。ほのぼのします。ペンネームに猫を使っている者として、見過ごせないエッセイでした！

魔王になった少女。異世界転生ではない、正統派ファンタジー小説です。きちんと腰を据えて、この世界を表現してくれています。壮大な物語になる予感がします。この先が楽しみな作品です。

お茶目な神様がお送りする、神社の恋物語。ほのぼの、ほんわかとした、コメディチック＆ハートフルな短編小説。個人的には、神道の神様がバレンタインデーの手助けをするのかが、気になるところ…続きを読む

現代文明が、コンピューターの暴走により滅びた未来社会が舞台の、ＳＦ短編小説。決して後味の良い話ではありませんが、だからこそ、ぐっとくるものがありました。

田舎の花火大会の風景。どこにでもあるけれど、誰にとっても特別で唯一の、そんな風景が浮かび上がります。

東京での優しい人々とのふれあいを描いたエッセイ。よく、都会の人はとか、東京はとかいう括りがありますが、何でもひとくくりにはできないし、どこにでも、いい人はいるんだなと、あらためて思…続きを読む

金の涙を流す子供たちと、肩を寄せ合って暮らす孤児たち。 物語は、元孤児であった（現在は教師）人物の語りによって進んでいきます。母親に捨てられた日から、子供たちだけで生き延びてきた…続きを読む

愛媛の小さな漁村でその昔、真珠湾攻撃に向かう軍人たちの訓練が行われていた。多くの人が知らないであろう、歴史の記憶を掘り起こし、光を当ててくれる、秀逸な短編小説です。

寺の門前で、かんざしを手に、立ち続ける侍の話。ユーモラスな語り口の、暖かい気持ちにさせてくれる歴史短編小説。とってもいい話でした！

未来。人間の遺伝子から、恋愛感情をつかさどる部位が取り除かれ、ほとんどの人間が「恋愛」を感じることなく生きている。 その中で、１００万分の１という確率で「恋愛感情」を持ち合わせた…続きを読む

限界集落で何百年と続く、祭りの風景。日本人の郷愁と、淡い恋愛感情が見事にマッチした短編小説です。

中学生、高校生男子は、どの格闘技が最強か、なんてことを真剣に語り合うものです。いつの時代も。それは、華やかではないけれども、確実な青春の１ページなのです。私は、相撲は強いと思ってい…続きを読む