若い時。自由に使えるお金はあんまり無いです。その代わり、自由に使える時間と、無限に輝く希望と、将来に馳せる大きな夢と……。その当時は全く分からないけれど、色々な素晴らしい物を持っている様な気がします。
年を取り、責任のあるポジションに付き、社会へ貢献するようになれば、生きるために必要な最低限のお金は、きっと手に入ります。でも、夢や希望や自由の様な、生きていく上で必ずしも必要とは言えないものは、どんどん失う様な気がします。
でも、本当は失っているのではなくて、本人が無くしてしまった様に感じているだけなのかもしれないと、この物語りを読んで私は、そう感じました。
辛く厳しい現実。夢や希望だけでは絶対に生きていけない。
でも、それを完全に見失うのは、何だか悲しい。
たまには、若い頃の事を。
夢や希望に満ち溢れていた過去の想い出を。
そんなものを思いだし、浸ってみるのも大切な時間なのかも知れないですね。
とても、優しくて美しい物語です。他の皆様も是非読んで欲しいです(^^)
私ももう社会人になり、学生の頃よりも時間が取れず、小説を書くのも読むのも、別の趣味を犠牲にしなければならなくなりました。これからさらに小説に傾ける時間が減るかもしれない、そんなときに、この小説からは激励を貰ったように感じました。
小説家になる、というのは、私にとっては、まあ無理です。
ただ、小説家であるというのは、私の心もち次第だと感じさせられました。
ところで、私は夏は嫌いです。暑いので。
しかし小説の中の夏は大好きです。この小説でも、いい夏を過ごさせていただきました。現実味溢れる細かな配慮のある文章の中で、叔父の言葉には、かつて少年であった過去の面影を残した爽やかさを感じました。
中学校最後の夏休みに入った主人公。当然、卒業すれば高校進学への道筋を辿ることになのだが、彼には夢があった。それは――。
誰しもが抱く夢。でも夢半ばにして諦めてしまう人が大半なのが現実。年齢と共に自分の身の丈にあった生き方を選ばざるを得ないときが絶対くるのですよね。
事実、その生き方を選んだ主人公の叔父ですが、終盤、彼の突発的な行為が主人公の人生に影響を与えることになります。
おそらくは主人公は、夢に向かって努力することでしょう。
思わず「がんばれ」と言いたくなること必至の本作。皆さまも是非ご一読を(⌒∇⌒)