「なる」ことと「ある」ことは違う

 私ももう社会人になり、学生の頃よりも時間が取れず、小説を書くのも読むのも、別の趣味を犠牲にしなければならなくなりました。これからさらに小説に傾ける時間が減るかもしれない、そんなときに、この小説からは激励を貰ったように感じました。
 小説家になる、というのは、私にとっては、まあ無理です。
 ただ、小説家であるというのは、私の心もち次第だと感じさせられました。

 ところで、私は夏は嫌いです。暑いので。
 しかし小説の中の夏は大好きです。この小説でも、いい夏を過ごさせていただきました。現実味溢れる細かな配慮のある文章の中で、叔父の言葉には、かつて少年であった過去の面影を残した爽やかさを感じました。

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