これが本当の異世界かもしれない(スペインだけど)

小説にはいろいろな楽しみ方があると思いますが、その中の一つに、知らない世界を知れること、というのがあると思います。

そういう観点でいえば、この小説は、えらく珍しい、そしてほとんどの人は知らないであろう世界を扱っています。

スペインのレストラン業界。

スペインっていうだけでも珍しい上に、料理業界という、どえらい舞台設定です。だからこそ、私も含め、ほとんどの人にとっては、馴染みのない世界。「異世界転生」ものよりも、こっちのほうがよっぽど「異世界」です。まだ、剣と魔法の世界のほうが馴染みがあります(笑)

スペインの料理の文化から、暮らし、人々の性格、いろいろな事象がリアリティをもって、ストーリーの中に織り込まれています。本当に、そこで生きているような、ドキュメンタリーのような印象をもった小説でした。少なくとも私は、これを読んで、スペインに行きたくなりました。