四国の最西端。陸の孤島、三机。真珠湾攻撃に備えるための、特殊潜航艇の訓練が行われていた場所。私も含めて、ほとんどの読者が知らないであろう、戦争の歴史が刻まれている場所。この場所から戦地に赴き、真珠湾で還らぬ人となった九人の兵士、九軍神。その慰霊碑と、慰霊祭。兵士たちと、地元住民の触れ合い。細々と伝えられている戦争の記憶を今に伝え残す、とても意味深い作品です。
愛媛の小さな漁村でその昔、真珠湾攻撃に向かう軍人たちの訓練が行われていた。多くの人が知らないであろう、歴史の記憶を掘り起こし、光を当ててくれる、秀逸な短編小説です。