自分が最初に暗号のことを深く知るきっかけとなったのは、サイモン・シンの『暗号解読」を読んだのがきっかけでした。
それがあって、自分でも暗号を使ったミステリィを書いたこともあります。
暗号って、楽しいですよね。
難しくて中々解けないものも多いけれど、殺人事件の謎を探偵が解決した時みたいに、その秘密が明かされると、「そういうことか」って、納得させられつつ、満足感が得られます。
そういった暗号の面白みというものが、この作品には詰まっていて、それが事件性と相まって、けっこうとんでもなSF的展開にまで発展していってしまう作風に、驚きを感じるとともに、凄く楽しめました。
洗練された軽妙な筆致に後押しされながら。
とても理系的な作品だとは思いますけれど、暗号なんかの知識がなくても、詳しく分かりやすい解説がされていますし、誰にでも楽しめる作品だと思います。