概要
突然、現れた謎の少女は僕の過去を知っているようだった。
僕自身が記憶の底に沈めた「あの事」を少女はなぜ知っているのか。
少女の正体はいったい。そして、僕が自分で封印した記憶とはいったい。
……闇の中で咲く花の色は紅か黒か。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!クラスにいた、陰鬱で一言もしゃべらない女の子。彼女は、実は…。
主人公は、担任から欠席したある少女に手紙を届けるよう頼まれる。
その少女は、高校入学以来、誰ともしゃべらない異質な闇のある少女だった。
その少女の家に手紙を届けにいったときから、主人公の歯車は回り始める。
あのとき、止めてしまった、忘れてしまった歯車が。
そしてその歯車は、少女自身にも影響を与えていく。
はじめは、ホラーだと思いました。
でも、読み進めていくうちに、あれ、これは違うぞ。もしかして青春もの?成長もの?
途中、真相が明らかになっていく過程は、ハラハラドキドキ。
最後の最後まで、ハラハラ。
そしてラストは……また違う展開が待っていました。 - ★★★ Excellent!!!限りなくリアルに近い高校生の青春
高校生のノブが一人の女子生徒、アキコと出会い、色々なものを乗り越えていく~みたいなお話。
こんな風にざっくり書くと青春ボーイミーツガールかなぁと思う方もいらっしゃると思います。が……重い!
Web小説ではなかなか見ないような重めの青春ものなのです。
爽やかな青春小説にはあまりないような、剥き出しの悪意や人間の暗黒的な部分がたっぷりと盛り込まれてます。
すごく現実的です。
序盤はホラーな展開で読者を引きずり込み、中盤で主人公やアキコの過去が次々と明かされていきます。
気がつくと物語も終盤。二人を応援してしまっています。
あと、終わり方がすごく良かったです。
良い意味で中途半端なハッピー…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どんなに濃い闇、深い夜でも――花は美しく咲いている!
主人公の『山井明信(ノブ)』の一人称で語られる暗黒青春系小説。
高校生の頃に芽生える自我や自意識、周りと自分との距離間、男女の恋愛、友情、過去のトラウマ、そういった青春に必要不可欠な要素がすべて盛り込まれた、かなり重めの物語。
クラスには『笹井亜希子』という少し特殊な女の子がいて、クラスで浮いた彼女は、どこか腫れもののように扱われている。作中の言葉で言えば、『柳川系』という、何を考えているのか分からない不気味な生徒の隠語で呼ばれている。
ノブが彼女と関わることで物語は少しずつ動き出していくのだ、それは必ずしもうまい具合に進んでいくというわけではなく、胸を抉られるような痛々しい描写が続く…続きを読む