最初は、ラブコメ作品を探していて
高評価だったので試しに読んでみるか
という気持ちで拝見した作品でした。
「普通の村人が突然勇者として見初められる」という展開はベタな設定でしたし、本当に軽い気持ちで読み進めていたのですが、非常に淡々として読みやすい文章と次々と巻き起こる予想外の展開が繰り広げられていく様を見て、一気に惹き(引き)込まれました。
最初のヒロインの印象はそれこそよく居る「ツンツン高飛車の主人公束縛系」という僕が苦手とする性格の少女だったのですが、話が進むにつれて彼女の想いや心情が掘り下げられてからは最初の悪い第一印象は全て拭いさせられ、逆に一読者として主人公との仲を応援する立場になっていました。
特に、明かされた過去の真実と旅立ちのシーンは小説サイトで投稿されている 、そして何より異世界を舞台にしたラノベで初めて涙が溢れました。
また、他の登場人物達もとても生き生きとしていてまるで本当にあった物語をそのまま書き連ねてきたのではないかと思う程の重厚なストーリーに感動しました。
もし僕と同じ様に難儀な性格のヒロインや異世界系を苦手とする読者の方が居たら、どうか最初の数話で好みを判断せずにもう少し粘って読んでみて下さい。見る前と見た後ではきっと印象が大きく変わると思います。
私情が大きく含まれる事は承知の上で言いますが、こんな素晴らしい名作を見ないのは本当に勿体ないと思います!
長くなってしまいしたが、最後に。
作者の花果唯さん、素晴らしい小説を読ませて頂きありがとうございました!
既に発見した際は完結していたため更新されていく小説を見れないのは悔しくもあり、一気に読み進めていけるのは嬉しくもありという複雑な気持ちです。
既に掲載されている他の作品も読んで行きたいと思います。執筆活動頑張って下さい。陰ながら応援していきます。
最近、異世界を舞台にした様々な小説が広がってきています。
私もその風潮のせいか、そのような作品を数多く読んできました。
しかしながら、この頃気づいたことがあります。
それは、キャラクターが人物として物語の中で生きていると感じられるものが少ないということです。私もうまく言い表すことが出来ませんが、異世界ファンタジーではやはり舞台が舞台なだけあって、そこに生きる人々をどのように描くのかは非常に難しいのだと思います。現実世界ならば、実際に外を出歩いてみたり、人々を観察したりすることで得られるものが大きいのかもしれませんが、「異世界」となるとそうもいかないことが多いです。
冗長に書きましたが、私はこの小説を読んで「人が生きている。」と感じました。
主人公の村での様子。一見悪役に見えるあいつも実は人間の心をしっかり持っていて、物語の中で成長しています。もしかしたら私が気が付いていないどこかにもまだそういった点が残されているかもしれません。細かいところにも妥協せず、人物を、世界を作る要素がきちんとちりばめられており、本当に読んでいて幸せでした。
最後に、こんな幸せに生きた家族を人々を書いてくれた作者様にお礼申し上げます。
タイトルで少しコメディなのかな?と思ってしまうかもしれませんが、いやいやいや。これほどの愛情深いファンタジーは数少ないと断言できます。
読み始めはヒロインの横暴さに疑問と不満を覚えるかもしれません。
そこで拝読を止める人はそのまま『静かに』止めればいい。
この作品の芯となり この作品は全て愛情で作られている事に気付けないまま。
それほどに主人公ルークとヒロインのアリアの愛情が詰まった作品です。
ファンタジーなのに世界平和までの描写がトップギアで進む(笑)
それは作品・作者・読み手の中であまり必要ではなく(拝読すれば納得される)そのスピードこそ逆に主人公の気持ちを現すのに的確な描写であると思う。そのスピード感でありながらも主人公からヒロインへの愛と想いがしっかりと書かれている。
そして感動の完結を迎えるのだが、その後にも番外編・続編と執筆されている物語が本編とは違った新たな愛情と癒しを与えてくれる物語になっている。
皆さんにも同じ感動を共有してもらいたい。