人が生きている。世界が生きている。

最近、異世界を舞台にした様々な小説が広がってきています。
私もその風潮のせいか、そのような作品を数多く読んできました。
しかしながら、この頃気づいたことがあります。
それは、キャラクターが人物として物語の中で生きていると感じられるものが少ないということです。私もうまく言い表すことが出来ませんが、異世界ファンタジーではやはり舞台が舞台なだけあって、そこに生きる人々をどのように描くのかは非常に難しいのだと思います。現実世界ならば、実際に外を出歩いてみたり、人々を観察したりすることで得られるものが大きいのかもしれませんが、「異世界」となるとそうもいかないことが多いです。

冗長に書きましたが、私はこの小説を読んで「人が生きている。」と感じました。
主人公の村での様子。一見悪役に見えるあいつも実は人間の心をしっかり持っていて、物語の中で成長しています。もしかしたら私が気が付いていないどこかにもまだそういった点が残されているかもしれません。細かいところにも妥協せず、人物を、世界を作る要素がきちんとちりばめられており、本当に読んでいて幸せでした。


最後に、こんな幸せに生きた家族を人々を書いてくれた作者様にお礼申し上げます。

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