概要
しかし幼なじみの『進ノ助』、公家の連れである『椿彦』が執り成して事なきを得た。
だがその後、『菫』は山神の生け贄とされる。抗い、逃れようとするが、遂に気を失ってしまった。
目覚めたのは、山神の祠。その場に居たのは、狼の顔を持つ『狗狼』。
恐怖に震える『菫』に、『狗狼』は記憶を消すことを持ちかける。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!神様がついた優しい嘘
山で猟をして暮らす娘・菫は、山神の祠へ生け贄として捧げられ、狼の顔を持つ神様・狗狼と出逢います。
傷ついた菫のお世話をしてくれた女性・雲も交えて、三人で穏やかな日々を過ごすうちに、菫の心は少しずつ癒えていき、今後の身の振り方について考え始めます。
菫を案じた狗狼が「菫を苦しめている記憶を消し去る」と提案したことで、菫は徐々に己の記憶や、生け贄の一件について深く知る人々と向き合っていき――優しい嘘に包まれた、重大な出来事に迫っていきます。
人間と神様の交流、記憶を残すか捨てるか、祠で育まれた絆の尊さ、手放したくない恋心。本作の見どころはたくさんありますが、そのうちの一つは、人間の菫と神様の狗狼…続きを読む - ★★★ Excellent!!!優しい嘘で守られた記憶を取り戻す時、生贄の娘は山神の心を識る
突然わけも分からぬまま生贄にされてしまった山村の娘・菫と、人狼の姿をした山神・狗狼の物語です。
菫にはどうしても思い出せない記憶がありました。
そのせいで自分自身の存在すら覚束ない状態で、先も見えない不思議な生活が続いていきます。
山での暮らしや、祠の様子の描写が非常に丁寧で、目に浮かぶようでした。
不安な胸中ながらも、見た目より穏やかで優しい狗狼、お世話をしてくれる謎多き女性・雲とのやりとりが楽しく、だんだんこの生活に安らぎを感じていくのですが……
故郷の人々から裏切られ、記憶も欠けて、帰る場所も失った菫が求めていたものは、何だったのでしょう。
自覚もできていない恋心の向こう側に、忘…続きを読む - ★★★ Excellent!!!私の一番好きなお話! 心根の優しい方々が綴る夢と現実の絵巻物語!
レビューは後程投稿いたします。
これ程完結が楽しみな作品はないです。
やっかんでますよ。
上記は、最初の頃を読んでの感想でした。
本日、完結の運びとなり、誠におめでとうございます。
先ずは、お話のあらましです。
御覚山に山神様がおり、祠があると言う。
菫さんは、生きる為に、狩りをして暮らして来た。
狩りを嗜みとして訪れた身分の高い人に、自身の呼び方を考えてくれと言われ、椿彦とした。
菫さんの幼馴染、進ノ助は、時折暴れて周囲を引っ掻き回すのが問題だった。
突如として、菫さんには訳が分からないまま、山神の生け贄として箱で運ばれた。
どんなに抵抗をしても、悪の顔が襲いかかる。…続きを読む