始業式後のデート

 ギリギリ間に合った始業式。長い長~いありがた~い校長センセの話も終わり、新担任の自己紹介も終わり、半日しかないので教室には誰もいない。三人を除いて。


「勢いで弁当作っちゃったの?」

「すまん。でも家で食べられるよな?」

「学校で食べるからおいしいの!」

「そういうもんか。ところで午後はどうする?」

「一旦帰ってデートしよ?」

「このままでもよくない?」

「制服やだ」

「じゃ、帰るか」


 食べ終えたので帰宅。着替えて徒歩20分のショッピングモールへ。え? 道中? ずっと抱きつかれたままです。飯の時以外は抱きつかれたままです。かわいい。


 ☆


 ショッピングモールに着いた。俺としてはゲームコーナーに行きたい。今日こそはガチャでLRをゲットしたい。運営会社にお布施したい。でも無理です。だって、


「この服どう?」

「かわいい! ハルが!」

「これわたしに似合う?」

「似合う! というかアキがかわいい!」

「「えへへ~」」


 これですもん。ちなみに俺はジーンズとシャツしか着ない。だって両脇が輝かしすぎて存在自体を妬まれるからあまり意味がない。申し訳程度にネックレス着けてるけど。ハルとアキが誕生日にくれたハートのネックレス。二人も持っていて、三つとも少しずつ違うデザインらしい。一生大事にすると誓ってる。家宝にすんべ。


「くっ……!! なんで二人ともかわいいんだ!! 金を使うならここだ!!」

「「わーい!!」」


 でも、この笑顔のほうが宝物です! くそ! LRはお預けだ! すまん社長!


「あと、あっちのお店も行きたい!」

「今日の夕飯はこのままここで食べてかない?」

「二人と一緒にいるだけで幸せなので全部許可!!」

「「わーい!!」」


 財布がだいぶ軽くなりました。でも幸せです。

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