ダブルデート─待ち合わせ

 週末の昼過ぎ。大城ダイキから「俺の心の傷を癒せるようなデートにしろよ?」とのことだったので、プランニング頑張りました。


 駅から美少女が走って来る。


「お兄ちゃ~ん!! 久しぶり~!!」

彩華イロハ~!! 久しぶり~!!」

「先々週会ったでしょ?」

「ブラコンとシスコンは直りそうもないね」

「婚約するぐらいだしね」


 デート。自分の好きな人、愛する人とするものだ。つまり、彩華も呼ばなければならない。これは義務。


「お兄ちゃんのマンションに住みたい~」

「中学は実家から近いからしょうがないだろ? こっちに住み始めたら家庭訪問されそうで怖いし」

「あー、担任チェック? 義務教育ってめんどくさいね」

「我慢だよ。この前の中間テストは?」

「もちろん一位! お兄ちゃんもでしょ?」

「当然! 兄妹揃って秀才だな!」


 この調子をキープすれば大卒で就職できるね。うちの高校は進学校だし。


 ☆


 待ち合わせは駅前。電車で移動する予定。


「周りの視線すごいね! この感覚久しぶり~」

「彩華がくっついてた、俺が中三の時以来だな」


 年が二個離れてるので、一年生と三年生だった。彩華は休み時間の度に俺のクラス来てたから、周りの嫉妬の目線がすごかった。彩華は美少女だからな!


「お待たせしました~」

「おっ待たせ~」


 大城と香緒里カオリが来た。一週間一緒にいた間に、呼び捨ての許可をもらった。


「香緒里もかわいいね」

「ダブルデートですから!」


 みんな服装に気合い入ってる。

 春香と秋穂は所謂双子コーデ。黒のキャップとボーダーのシャツはお揃いで、スカートが色違い。春香がベージュ、秋穂がモスグリーン。

 彩華はテラコッタオレンジのニットにベージュのパンツ。

 香緒里は白のニット、黒のショートパンツにカーキのジャケット。

 男陣は割愛。無難な格好だし。


 ダブルデート、始まります。

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