罰ゲーム的な

 大城くん、君は俺たちに負けた! つまり、長命寺さんと一週間、イチャイチャすることができない! 愉悦ぅ!


「憂鬱」

「彼女という概念を所持しているだけでこの世でカースト上位に入れるんだぞ? アドバンテージがあるだけいいだろ?」

「くっ……だが一つ見落としていることがある!」

「何っ!?」

「今かおちゃんと俺は一緒に住んでる!」

「くっ、考慮してなかった!」


 盲点をつかれた!


「あ、それでしたら加賀美さんのマンションにお邪魔すればいいのでは?」

「お前の彼女ノリノリ過ぎん?」

「だって親御さんの前でもやろうとしてくるんですよ? 頭冷やしてもらわないと」

「それは大城が悪いな」

「反省してます……」


 ☆


 という訳で、大城にとって地獄の一週間、スタートゥ! まずは登下校! 長命寺さんは俺らと一緒に登下校だ!


「いつもこんな感じの登校なんですか? 歩きづらくないですか?」

「幸せだから大丈夫だよ?」

「幸せって感情はすべてをなかったことにできる」


 いつも通り、左にハル、右にアキがくっついている図だ。慣れてない人が見るとそういう感想なんだな。



 続いて家! 食後の川の字タイムに対して、長命寺さんの感想。


「腕痛くないんですか?」

「幸せって感情はs」

「頭の中がお花畑なんですね」

「花の知識は誰にも負けない」

「コウは花言葉大好きだからね」

「そういうことじゃないんですが」



 続いてお風呂! 三人で入浴に対して。


「したくならないんですか?」

「ならないと言ったら嘘になります」

「そんなどこかの芸人みたいな言い方されても」


 ☆


 一週間が経った。長命寺さんは終始ツッコミ側だった。やっぱり俺らっておかしいってことを実感できた。


 大城は死にかけ。ずっと授業も上の空だった。しょうがねえな。


「今度ダブルデートするぞ」

「い、いいのか!?」

「長命寺さんも寂しかったみたいだし」

「やっぱりだいちゃんから離れたくないです……」

「かおちゃん……」


 こいつらもおかしいわ。恋の魔力って奴?

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