夜這い
非常に疲れる入浴タイムを終えた。浴槽の中でもひたすらくっついてくる三人を回避するのは大変だった。お風呂って心を休める場所じゃないの?
「あれ? 有杜
なになに?
『風呂は時に戦場と化す』
『心が暴走することもある』
『例えば今日のようn』
あ、エルさんが暴走したんですね。属性的にエルさんに分があるし、しょうがない。
「ん? なんでモジモジしてんの? 三人とも」
「だってえ……」
「お兄ちゃんの裸あ……」
「すごかったあ……」
「うん、暴走寸前」
君たちの胸もすごかったけど俺耐えてるじゃん! 君らも耐えてよ!
「もうダメえ、抱いてえ……」
「今日はトイレで寝ようかな」
「そう言うと思ってトイレの鍵は壊しておいた」
「俺の部屋の鍵を……」
「とっくの昔に破壊して布団とかスーハーしてる」
「もうやだこの妹」
「あ、いかがわしい本はなかったね」
「ある訳ないじゃん」
だって本いらないよ現実に理想の人がいるもん。
「婚約してよかったあ……」
「抱いてくれたら完璧」
「拒否します」
☆
俺の部屋に布団を敷いて、ハル、アキと三人で寝ることにした。てか鍵が破壊されてたというか取っ手が改造されてた。部屋の内側に向けてレンズがある気がするんですが。
「今日はまだ何かある気がする」
「ああ、夜戦?」
「うん、撤退」
ここは窓の鍵を開けて有杜
「……ん?」
「どしたの?」
「鍵が五重になってる」
あの、彩華さん? そこまでして襲いたいんですか? 双子がマシだったと思えるよ。
「覚悟はしておこう」
「子どもができたときの?」
「正解」
まあ、させないがな!
☆
寝てからしばらく。ハルとアキはいつも通りくっついて安眠中。二人はもはや流れを楽しんでる感があるから襲って来ない。だがしかし。
「ハアハア、お兄ちゃん、お兄ちゃん……」
「来たな妹よ」
「わたしたちが押さえてるから!」
「起きてたの!?」
「ルパンダ~イブ!」
「うわあああ!」
しかし何事もなかった。匂い嗅いだら寝た。俺の匂いはやはり中毒性があるようだ。
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