試験結果と準備
試験日には出席停止期間が終わったけど、別室受験になった。しょうがないね。体調管理の問題だもんなー。全部自分が悪い。もうしばらくは安静にしよう。
試験結果が公表される日。結果とかどうでもいいから寝てたいんだけど。みんなに駆り出されちゃしょうがない。今回は順位低いだろうけどな。
「まだ体調は良くなさそうだけど」
「もう寝たい」
「順位見るぐらいはできるだろ?」
「まあね」
ついに結果発表。帰りたい。
「さーて幸太の順位は?」
一位 加賀美幸太
同率二位 矢車春香、矢車秋穂
六位 長命寺香緒里
七位 佐藤大城
「……?」
……一位?
「……カンニングした?」
「別室で先生とマンツーマンだったから無理だぞ」
「先生を脅迫したとか」
「犯罪はしてないぞ」
「え、怖い」
「安心しな、一位をとった本人が一番恐怖を感じてるから」
後で担任に確認に行ったが間違ってなかった。恐ろしいのは私自身の才能だった。
「コウ、すごい」
「さすがわたしたちの婚約者」
「どうして……」
「今回は勝てると思ったのに……」
「病人と張り合おうとするな」
そんなんで勝ったってうれしくないだろー。
☆
まあ、試験結果は置いといて。そろそろ彩華の誕生日だ。
「こっちから行くの? それとも来るの?」
「前日に押し掛けて来そうで怖いなー」
「お兄ちゃんに祝ってもらいたいんだろうねー」
「体調に響くことだけはしたくないぞ……」
病み上がりで運動はけっこうキツイから体育は休んでる。次ぐらいからは参加できそうだけど。
「何プレゼントしよっか」
「コウの体」
「だからダメだってば」
「何でも喜ぶと思うよー」
「それが一番困るんだよー……」
ほんとにどうしよう。
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