彩華誕生祭

 今日は彩華の誕生日。だがしかし、今日は平日だ。学校が終わったら実家に向かう予定だけど、学校まで彩華が来そうで怖い。


「お兄ちゃ~ん!!」

「あ、彩華ちゃん」

「いや、ほんとに来たよ」


 校門で待っていた。予想が当たってしまった。


「学校終わってすぐ来ちゃった!」

「部活のみんなで誕生日パーティーとかないのか?」

「あったけど」

「そっちに出てくればよかったのに」

「お兄ちゃん至上主義なので!」


 ビシッと俺に向かって敬礼する彩華。かわいい。妹最高。


「うん、やっぱ結婚しよ」

「するでしょ?」


 左手の指輪を見せる彩華。そうでした婚約済みでした妹最高。


「じゃ、着替えだけ取りに帰って行くか。明日休みだから泊まるし」

「うん!」


 ☆


 現在、実家。


「彩華、誕生日おめでとう!」

「おめでとう!」

「おめでと~」

「また大人になっていく……」

「なんでエルさんが泣いてるの」

「エルは義妹ができることに喜びを感じているからだ」

「まあ、そっか」


 有杜にいと彼女のエルさんはそのうち結婚するだろうしなー。


「お前らもちゃんとした職を探せよ。特に幸太は。嫁が三人いるんだから」

「わかってる。ちゃんと考えてるよ」


 有杜にいは内定決まってるからなー。


「さて、プレゼントタイムだ」


 有杜にいからは今回もスキンをもらった。クッションとかいろいろもらったけどそれが一番役に立った。俺からのプレゼント? 愛だけど何か?


「結局、俺の体力問題なんだなあ……」

「お兄ちゃん頑張ってね?」

「コウはわたしたちと」

「一生一緒だからね?」

「仕事から帰って来てすぐせがまれそうで怖い……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る