中間試験の勉強

 ゴールデンウィークが終わり、また学校が始まった。彩華は寂しそうにしながらも、左手の指輪を大事そうにしながら帰って行った。あと十一ヶ月の辛抱。早く一緒に暮らしたいな。


「おっはー」

「はよ」


 大城が教室に入って来た。長命寺さんと恋人繋ぎしながら。


「長命寺さんは隣のクラスじゃなかった?」

「授業始まる直前までいます」

「予想以上のラブラブっぷり」

「昨日はお楽しみでしたか?」

「当たり前だよな?」

「うん!」


 すっごいイチャイチャしてる。触発されたのかハルとアキが全力でくっついてきてる。ちょっと痛い。


「わたしたちも抱いて~」

「学校で言うな」


 ☆


 人類は忘れていた──ゴールデンウィーク直後に中間試験があることを──


「という訳で勉強会です」

「なんで俺らのマンションなんだ」


 大城の家のほうが広いだろうが。


「かおちゃんの荷物がまだリビングにあって」

「そういえばアパート解約したんだっけ」


 長命寺さんの行動力怖い。


「さーて勉強するぞー」

「生物は俺に聞け」

「化学はあたし!」

「数学はわたし!」

「文系教科は俺な!」

「助かります」


 長命寺さんは平均点に毛が生えたぐらいの成績らしい。ここに秀才が四人いるから大丈夫だぞ。


 ☆


 しばらく勉強した。集中力が切れてきた。


「コウ~」


 完全に俺に寄りかかって匂い嗅いでる双子。


「我慢できなくなっちゃった……」

「ホテル行く?」

「うん!」


 ラブラブカップルは帰った。勉強会、終了。その後、三人でお風呂入って寝た。あれ? 中間試験っていつだっけ?

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