勧誘と拒否
昼休み。三人で弁当を食べていた。大城はサッカー部の友達と食べるし、忍者はゲーム部(生物部)でゲームしながら食ってる。男友達増やしたいな。
「あたしたちがいるから寄って来ないんじゃない? 嫉妬で」
「かわいい子を二人も侍らせてるからな」
「またかわいいって言う!」
「かわいいの安売りダメ!」
「何? 美しいって言えばいいの?」
「かわいいで大丈夫です」
「お気に召されなかったようだ」
弁当を食べ終わったので食休み。二人の膝枕をする。学校でもこんな感じでイチャイチャするから避けられるんじゃないすか。
「そういえばさ」
「ん?」
「勧誘来た?」
「あー、来た」
勧誘とは、部活勧誘のことである。運動も勉強もできる完璧人間に周りからは見えるらしく、三人ともいろんな部活からの勧誘が後を絶たない。
「俺はバスケ部から来た」
「……それって最近金髪にした女の子?」
「そうそう。なんかヤバい匂いがしたから全力で逃げた」
「そして逃げた先で陸上部に勧誘された、と」
「見てたの?」
「すごい勢いで走ってたから跡をつけた」
よく追いついたな。あ、三人ともスペック高いんだった。と、自惚れるのは大概にしよう。
「全部拒否したでしょ?」
「拒否しないと二人といる時間が減る」
「わたしたちも全部拒否した。もうお互いに依存してるよね、この三人」
「しょうがない、恋は盲目だからな」
「でも、幸せだよね」
「ああ、俺らはこれがちょうどいいんだろうな」
二人の頭を撫でながら。はあかわいい襲いたい。ダメだ俺は勝つんだ! 本能に負けたくない!
「おう、イチャイチャやってんな! ところでサッカー部入らん?」
「やだ」
「無理」
「臭い」
「そりゃ更衣室は臭いだろ。でも消臭剤は一応置いてるから」
大城、論点ズレはダメよ? ただ三人の時間が減るのが嫌なだけだから。という訳で。
「「「断固拒否」」」
「スキンあげる」
「「入ります」」
「意志が弱すぎる」
もちろん止めました。
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