幸太誕生祭(加賀美家)

 大城からもらった財布、使いやすいし見た目もいいし完璧。大事に使うわ。


「じゃ、来週帰るよ」

『うん! 準備しておくからね!』


 今度は加賀美家で誕生日パーティー。家族に誕生日を祝われるって幸せだなあ。


「自分の誕生日を忘れてた人とは思えないほど楽しみにしてるね」

「それは言わないでくれ」

「なんで忘れてたの?」

「わかんない。まあ今年は温泉旅行行ったし、幸せ過ぎたんだろうな」

「みんな幸せだよ!」

「でもまだ幸せが足りないよ~」

「コウにはもっと幸せになってもらうよ!」

「それは楽しみだな」


 ☆


 佐藤家でパーティーをした次の週末。実家に帰ってきた。なんか俺、しょっちゅう帰ってる気がする。


「おかえり!」

「おかえり~」

「遅いぞ!」


 加賀美家、矢車家、全員集合。ついでにエルさん。メンバー勢揃い。


「ほい、主役タスキ! それとパーティーハット!」

「はいはい」

「じゃあいくよ! せーの!」

『おめでとう~!!』

「ふぅー!」


 ケーキの蝋燭を吹き消す。十七本全部消えた。


「母さんと父さんからは現金ね~」

「うちも現金だ」


 両家の親は現金。毎年だしいいか。


「我とエルからはこれをやろう」

「ありがとう」


 黒の袋を渡された。嫌な予感がする。


「うん、見なかったことにしよう」

「愚兄、何よこしたの」

「これ」


 大城の分と合わせるとすごい量になるんだが。


「ちょうどわたしたちのプレゼントと併用できるね!」

「は?」

「こっち来て!」


 俺の部屋に連れ込まれる。


「えっ脱いだ!?」


 三人は一糸まとわぬ姿に。


「「「プレゼントは体です」」」

「確かに併用できるな! でも断る!」

「逃げられるとでも?」

「えっちょっと待っ……」


 このあとどうなったかはご想像にお任せします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る