文化祭一日目

 文化祭が始まった。文化祭は、在校生だけで行う一日目、お客さんが来る二日目に分かれている。今日は一日目なので、お客さんは来ない。


『本日は、みなさんの完成度の高いダンスや劇を楽しみにしています』


 一日目は、それぞれのクラスが体育館のステージで劇やダンスをする。これやる必要ある? 楽しんでる人がいるのは事実だけど。というか先生。高校生に完成度を求めないでくれ。


「やだ……」

「帰りたい……」


 双子は目立つのが嫌いなので拗ねてる。普段からかわいい二人は目立ってるのに、って言ったら、


「コウ関係で目立つのはいいの!」


とのこと。泣かせるやないけ……


「二人が頑張ったらご褒美あげようか?」

「「頑張る」」

「俺にできることならなんでもいいよ」

「うふふ、楽しみ~」

「ふふふ~」


 やる気があがったようで何より。


 ☆


 俺たちのクラスの番が来た。俺たちは劇だ。


「ふはははは! 貴様らは世界にふさわしくない! 世界の再構築だ!」

「魔王さま! 一生ついて行きます!」

「魔王さま~ベッド行きましょ~」

「それは待って」


 まあなんとなくわかると思うが、俺が魔王、双子が側近。そして大城はというと。


「魔王さま、勇者が来ましたので、倒して来ました」

「おう、お疲れさん」


 魔王軍序列第四位だ。てか、これただ魔王がいるだけだね。


 ☆


 俺たちのクラスは終わった。最後に核ミサイル打たれて終わる魔王って。


「おっ、香緒里のクラス始まるぞー」

「かおちゃん、何やるか教えてくれなかったからなー」


 ステージの照明が落とされた。


「お、オタ芸!?」

「完成度高過ぎ!」


 こんなの勝てない。もちろん優勝。


『優勝したクラスには、全員にクオカードと図書カードをプレゼントします』


「いいなー」

「疲れました……」

「明日は人が来るから今日はゆっくりしな」」

「いえ、だいちゃんとイチャイチャします」

「コウもイチャイチャしよう!」

「「……明日に支障がない程度にな」」

「「「わーい!」」」

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