文化祭二日目

 香緒里がオタ芸で勝利を収めた次の日。文化祭二日目だ。今日は、外部の人も来る。誰かの親だったり、他の学校の生徒だったり。つまり、人がめっちゃ来るのだ。その中で、タピオカを作って売らなければならない。すでにここは戦場だ。


「お兄ちゃ~ん!!」

「来たか彩華!!」


 もちろん彩華も来る。今日もかわいい。


「今年はタピオカなんだね」

「間違いなく人気が出ると思うんだけど、どう?」

「お兄ちゃんが作ればなんでもおいしいよ!」

「四杯無料であげようかな。みんなで飲もう」

「加賀美くんやめて」

「すいません」


 委員長に止められた。悲しみ。


「お、いたいた」

「え!? ちょっとあんたなんでいるのよ!?」

「お前に会いに来た」

「……タダにするから二人で飲む?」

「おい委員長」

「わかってるわよ。ちゃんと払うわ。店番よろしくね」

「それも困るんだが!?」


 人員が一人減ってしまった。どうしよう。茶番の間にも人がたくさん来てるからヤバいぞ。


「お兄ちゃん、私が手伝おうか?」

「外部の人に頼むのはダメなんじゃ」

「いいぞ」

「先生」

「お前の妹だったら信用できる。やってくれ」

「ありがとうございます!」


 彩華参戦! 美少女人口が上がったタピオカ屋は無敵だ!


 ☆


「疲れたー」

「お疲れ様」


 シフト制でやってたので、シフトが終わると暇になる。今は四人でぶらぶらしている。


「演劇部の公演観に行く?」

「いいね」

「その前に何か食べたい」

「じゃあ食べながら行くか」


 その後、演劇部の公演を観たり、軽音楽部の演奏を聞いたりして楽しんだ。

 最後に、お客さんが投票した最高のお店が決まった。うちが一位だった。やったね。

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