十五夜

 夏の暑さはまだ残っているが、だんだん冬に向かっていくのだろう。その前に秋が来る。


「どーん!」

「そっちのアキじゃない」


 かわいいけど!


「秋穂だけずるい! あたしも!」

「いいよ。おいで」

「わーい!」


 三人でくっついてイチャイチャ。幸せ。


「このまま抱いて?」

「俺も我慢がきかなくなってきたところ。しようか」

「「うふふ~」」


 スッパーン!

 大城に叩かれた。


「いって! スリッパで叩くな!」

「ここ学校だぞ!」

「「「あ」」」


 クラスのみんなの白い目。流れるような動きで。


「「「すいませんでした」」」


 This is Japanese Dogeza.


 ☆


「婚約者がかわいいと苦労する」

「「婚約者がカッコいいと苦労する」」


 重大な問題だねこれ。今は家でくっついてる最中。


「そういえば今日は十五夜じゃない?」

「あ、じゃあ今日は月見そばでも食べる?」

「お団子も食べたい!」

「よし、作ってくるよ」


 ささっと作ってベランダ近くにハルが移動してくれたローテーブルに置く。アキが作ってる間に外から持ってきたススキを置く。


「完璧」

「食べよう!」

「「「いただきます」」」

「おいひい」

「それはよかった」

「月もきれいだねー」

「ハルとアキのほうがきれいだよ」

「「抱いて?」」

「食べ終わってからにしようね」


 しばらくして食べ終わった。さすがに食後すぐには運動できない。


「ススキって花言葉あるの?」

「あるよ。『活力』と『心が通じる』」

「今のわたしたちみたいだね!」

「そうだね。じゃあする?」

「「する」」


 いつもより少し激しかったです。活力。

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