ぷにぷに

「暇だ」

「暇だね」

「暇~」

「何もすることな~い」


 夏休みも終わりに近付き、何もやることがない。大城たちはやり残してた宿題を見つけたらしく、急いでやっている。


「ベッド行く?」

「昼間からするつもりか? 俺はしたくない」

「だよねー」

「はぁ……」

「「暇ー」」


 ほんとに暇。


「金魚の数を数えるしかやることない」

「あれ? 増えてない?」

「気のせいじゃ……増えてる」

「ハル~?」

「ヒュー、ヒュー」

「下手な口笛吹かないで」


 なんで増えてんの。


「ごめん、隠してた」

「どこに?」

「あたしの部屋……」

「隠さなくてもいいのに」

「狭いと喧嘩したりいじめが起きるでしょ? そういうの嫌だし……」

「水槽二つ買えばいいだけでは」

「あ、そうか」


 ☆


 ホームセンターに行って、水槽と空気ポンプを買い足した。


「何匹いるのこれ」

「……三十匹?」

「どんだけ取ったんだよ」

「あたしの安いプライドのせいでごめんね?」

「許さない」

「え?」

「許さない!」

「ひえっ」


 ちょっと覇気を出してみる。


「許して!」

「許さない! ぷにぷにの刑だ!」

「え」


 ほっぺたぷにぷに。うーん程よい弾力。いつまでもやってられる。


「ちょっと」

「あ、違うところもして欲しい? じゃあ二の腕」

「ひゃっ」


 柔らかい。胸と同じ柔らかさらしいけど、これは同意だ。


「ちょっとやめ」

「アキと彩華にもしよう」

「いいよ~」

「コウにさわられるの好き~」

「……むぅー」


 ハルが拗ねた。後ろを向いている。今だ!


「ひゃわっ!?」

「おっと」


 脇腹をぷにぷに。やっぱり締まってる。


「ちょっと……もう……」

「なんでそんなになってるの」

「ハルはくすぐったがりだからね」

「ではくすぐりの刑に変更」

「ほああ!?」


 しばらくハルをくすぐって楽しんだ。満足。

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