夏休み明け

 ついに……夏休みが終わってしまった。長い休みが終わったあとに毎回襲ってくるこの虚無感。どうしたらいいんだ……


「だるい……」

「コウは毎回これだね」

「みんながおかしいんだよ……」


 休みぼけしない人たちがうらやましい。

 彩華もぼけずに元気に帰った。でも寂しそうではあった。今度は文化祭に遊びに来るだろうからそのときにぎゅっとしてあげよう。


「おは……」

「大城もか……」

「宿題終わってない……」

「なんで?」

「察して」

「察した。ということは香緒里も?」

「香緒里は最初から全部終わってた」

「あ、御愁傷様です」


 香緒里さん裏切ったんですねわかります。


 ☆


 夏休みの宿題について大城と先生は。


「なんでやって来なかったんだ」

「終わりませんでした」

「なぜ終わらなかった」

「それは……そのー……」

「なんだ、言いにくいことか?」

「はい……」

「じゃあ後で小会議室に来い」

「すいません……」


「大丈夫か」

「何が?」

「『俺は爛れた生活を送っていました』って言うのかなって」

「そう言うしかないでしょ……」


 これは相当怒られそう。香緒里も巻き込まれるなこれ。先に連絡しとこうかな。


 ☆


 放課後。香緒里と帰ろうとしたら、校内アナウンスで呼ばれた。


「帰っちゃう作戦失敗か……」

「大丈夫です。なんとか説得します」

「頑張ってー」


 香緒里と大城、待ってようかな。


「ここで取り出したるはお弁当」

「四月から成長してない」

「すまんな。待ってる間食べよう」

「はーい」


「そういえばこの学校の人が八人死傷したんだっけ?」

「食事中はそういう話しないで」

「ごめん」


 ☆


「死にそう」

「わおグロテスク」


 二人とも顔色が悪い。


「毎日居残り勉強しろってさ……」

「自業自得では」

「デスヨネー」



 =====


 はい。ここまでが「幼馴染と元カノ」と連動してる内容です。あっちの時間が追い付いてないので、想像しながらお待ちください。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る