妹
ついに迎えたゴールデンウィーク。楽しみすぎて金曜日の夜は実家に向かわず、課題をすべて終わらせてしまった! 三人とも!!
「心置きなくイチャイチャできる!!」
「童貞ちょうだい!!」
「それはダメ」
そうこうしているうちに加賀美家に着きました。電車で一時間。お兄ちゃん、春休み以来で寂しかったよ!
「お兄ちゃ~ん!!」
「元気で何よりだ彩華!!」
玄関のドアを開けるなり突進してきた! こいつ、俺が喜ぶことをわかってやがる!!
「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん!!!」
「彩華彩華彩華!!!」
「近所迷惑だと思う」
「でも悔しいからわたしたちももっとくっつく!」
ここは天国だった。愛する妹に正面から抱きつかれ、婚約者二人に横から抱きつかれている。我が生涯に一片の悔いなし──
「まだ逝かないで! 温泉行くよ!!」
「はっ! 悔いあった!!」
一瞬大城の顔をした死神が見えたよ! 危ない危ない!
☆
家では眼鏡っ子の彩華。トレードマークの肩より少し下まで伸びたポニーテールは固定。かわいい。
「お兄ちゃんがいなくて寂しかった!」
「来年までの辛抱、頑張れ!」
彩華は二歳下なので、来年高一になる。お兄ちゃんから離れたくない! ということで、俺らと同じ高校に入学し、俺らのマンションに四人で住みたいらしい。幸せがそこには待ってる!
「両親緩いねー」
「お互いだろ」
計画はすべて両方の両親に伝えてある。全部許可された。緩すぎる。子どもがのびのびしすぎてる気もする。
「そもそも婚約の件も二つ返事だったし」
「四人とも昔は苦労した末に愛する人を見つけたって言ってたし、子どもに強制したくないんじゃない?」
「このまま幸せになりたいから、」
「「「抱いて?」」」
「婚約者はともかく妹はあかん」
「いいわよ~」
「「母さん!!」」
「「お義母さん!!」」
加賀美母のお墨付きが出てしまった! ヤバいよこの家!! 世間に対するプライドないの!?
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