中間試験
秋になったからといって何か変わる訳ではない。学生の仕事は勉強。これが何を意味するか。わかるね? そう、定期試験だよ。一年の間に何度も襲ってくる、奴だよ。今回は二学期の中間試験という名前のようだ。
「もうあんな順位にはならない……!」
「二位奪還……!」
一学期の期末試験で順位を落としてしまったハルとアキがふくしゅうに燃えている。復習のほうね。
「ところで前回の敗因はなんだったの?」
「……梅雨明けだったから?」
「理由になってないのでは」
「コウがイケメンだったから?」
「俺はイケメンじゃないぞ」
「えっ、イケメンじゃなかったの?」
「イケメンだと思ってた」
「恋人補正だと思うよ」
「ええー」
ハルとアキは補正がなくてもかわいいけど。
「ところでお二人さんや」
「「何?」」
「眩しくて寝られないんですが」
試験の前々日の午前二時で俺の部屋で勉強されてる。俺はもう寝たい。
「あと一時間だけ……」
「夜更かしする人は嫌いになっちゃうなあ」
「「寝ます」」
「よろしい」
「コウと密着するー」
「疲れが取れるー」
「俺は快眠器具か」
☆
中間試験も終わり、結果発表待ち。今回は大城と賭けをしていないので、特にイベントは発生しない。
「さーて今回の結果は?」
一位 加賀美幸太
同率二位 矢車春香、矢車秋穂
六位 佐藤大城
七位 長命寺香緒里
「「やったーーー!」」
「良かったね」
「それにしても」
「コウはズルい」
「えー?」
「わたしたちよりも勉強してないじゃん!」
「気のせいだよ」
「そんな訳ないでしょ!」
「すみません」
このまま説教された。理不尽。
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