金魚
夏祭り楽しかった。今年もお化け屋敷のクオリティが高かった。まあ、某テーマパークには劣るけども。あっちは大人の本気だし。
「で、どうすんのこれ」
「……」
「はいそこ露骨に目をそらさないで」
なかなか取れず、ハルが意地になって取った金魚。合計十匹はいるかな? 命だしな、捨てるわけにはいかない。取るだけ取って捨てる人もいるそうですね、そういう人は地獄に落ちてどうぞ。
「とりあえずバケツに入れるしかないな」
「はーい」
「明日、水槽でも買いに行こう」
「はーい」
☆
やって来ましたホームセンター。近所で一番大きいところだから、周辺のものも一通り揃うだろう。
「どの形にする?」
「昔ながらの鉢型、普通の長方形の水槽の二択。でも究極の二択だね」
「普通の水槽だと空気ポンプが入れやすい。鉢だと見た目がいい。どうしよっか?」
「狭い水槽に入れるといじめが起きるし、できるだけ大きい長方形の水槽にしよう」
「わかった」
というわけで、長方形の水槽にした。空気ポンプ、水草、下に敷く砂、そしてエサも買った。
☆
「……」
「……」
「……」
無言で水槽を眺める時間。いじめが起きないか気になるから。
「うーん、今のところは大丈夫かな」
「広いし大丈夫でしょ」
「それにしても」
「ペットって狭い世界で生きてくしかないんだねー」
「それはどうしようもないよ」
「わたしたちは広い世界に行けるのかな……」
「まあ、俺はみんなといればどこだって大丈夫だから」
「うん、抱いて?」
「久しぶりに聞いたそのセリフ。てか昨日したでしょ」
「今日もお願いします」
「心得ました」
うーん、爛れた生活だなぁ。性活とも言う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます