時空が歪みだして……ない

 時間、というのは残酷なものである。何があっても逃れることはできない宿命……運命……ウンメイノー……


「うわあああ!」

「どうしたの?」

「前世の記憶でも思い出した?」

「ま、まあそんなとこ」


 誰かハイパーになってくれ。


「で、何に怯えてたの?」

「恐ろしいことだ……」

「渋谷に隕石が落ちるぐらい?」

「そのぐらい」

「そんなに?」

「ああ、おそろしや……」

「おそろしや~、おそろしや~」

「それはややこしや」


 野村さんに謝って。


「何かあったっけ」

「もう期末試験だぞ」

「え?」

「この前中間試験じゃなかった?」

「世の中には不思議なことがあるのだよ」


 時空は歪んでないぞ。


「……勉強しよっか」

「急にランクインした新顔に注意だな」


 中間試験では、春に隣のクラスに入ってきた転校生と、今までランク外にいた男がトップテンにいた。厳しい戦いになりそうだ。


 ☆


「という訳で勉強会です」

「今回は俺んちか」


 前回は三人の愛の巣を貸したので、大城と香緒里の愛の巣を貸してもらう。


「部屋の中にヤバいブツないの?」

「なんだブツって」

「例えばこれとか」

「え、なんだそれ……って、返せ! てか捨てろ!」


 使用済みのアレ、普通に落ちてたぞ。親御さん、お宅のお子さんは羞恥心が足りないようです。家でするな。


「とりあえず勉強するぞ~」

「今回は不問にしてやろう」

「お前の立場はどこだ」


 ☆


 今回も集中力が切れた方々がイチャイチャし始めた。


「だいちゃん、キスしてー」

「まだ数学やってんだけど」

「コウもキスしよ!」

「もしくは抱いて!」

「候補がおかしい」


 男陣、意外と集中してやれた。誘惑に耐えることは人生に必要だと思いました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る