海水浴旅行─二日目:海の家

 海の家の人の話によると、夜中に未成年飲酒と喫煙を繰り返し、海にポイ捨てしてたんだと。で、見つかるとソッコーで逃げる。去年もやってたらしい。そりゃ警察沙汰だわ。やっと捕まえられたってことで、めっちゃ感謝された。


「ん~おいしい~!」

「美味いなー」


 現在、海の家でいろいろ食べさせてもらってる。もらってる、というのは、どうやらさっきの人は店長らしく、今回の件ですごく感激していて、無料で提供してくれたということ。そりゃ抵抗したさ。でも、あの目を見て断れる人はいないね。


「あんまりこういうさ、人からもらうのって気が引けるよね」

「わかる。ただナンパを撃退しただけなのにね」

「なんかできないかな」


 なんて、思ってると。


「なんか全然混まないね」

「そうだね」


 昼時だというのに、海の家には寄って来ない。店長に聞いてみると、「別に海の家じゃなくてもよくね?」という考えの人が多いらしい。


「これだね」

「これだな」


 ☆


「いらっしゃ~い!」

「三名様、ちょっとお待ちくださ~い」

「はい、焼きそば一丁!」


 フッフッフ。大盛況だ。まあ、簡単なことだ。超絶美少女の春香、秋穂、彩華、香緒里が客呼びとウェイターをやる。俺と大城が厨房。大城も料理うまいんだよ。


「SNSで拡散されてるらしい。さっき客が言ってた」

「それはもっと忙しくなりそうだな!」


 ☆


「ふー、心地よい疲労だ」

「そうだね!」


 夕方になり、閉店時間を迎えた。俺たちは臨時バイト扱いになるらしく、給料をもらってしまった。全力で断ったが、ダメだった。何に使おうか。

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