ダブルデート─オシャンティなレストラン

 プリクラを撮ったあとも、ゲームセンターで遊んだ。メダルゲーム楽しかった。リズム感ゼロなので、太鼓はかんたんしかできなかった。悔しい。


「こんなに遊んだの久しぶり~」

「今更だけど大城と彩華は部活どうしたの?」

「「休んだ」」

「彩華はともかく大城はよく許してくれたな」

「監督はリア充推奨派らしい」

「なるほど」


 よく「リア充爆発しろ」なんて聞くけど、人の幸せを素直に喜べる人がいるのはいいことだ。ゲーム部(生物部)とは違うね。


 ☆


 日が暮れるぐらいの丁度いい時間。みんなお腹空いてるだろう。


「どうする? 解散するか? いい時間だけど」

「大城クン、君は俺のデートプランを舐めている」

「なんだと?」

「今日、この日のためにレストランを貸し切りにした」

「どこに金があったんだ」

「いや~持つべきものは金持ちの義兄だな!」

「なんだクソ兄貴の金か、何でも食べられるね」

「人の金で食べるご飯はおいしいからね」

「かわいそうだなその人」


 大丈夫、ホテル代を回してもらっただけだから。


 ☆


 オシャンティ。その一言に尽きる。フランス料理のレストランだ。


「お客様は未成年ですので、ノンアルコール飲料をお出しします。今回のご予約はコース料理ですが、別料金で他のお料理をお出しすることも可能です」


 とりあえずはコース料理を食べよう。



「これください」

「これもお願いします」

「私もお願いします」

「香緒里も容赦なかった」


 ハル、アキ、彩華が別の料理を頼むのは想定してたけど、香緒里まで頼むと思わなかった。大城は花見で三段弁当を三つ以上食べただけあって、めっちゃ食ってる。見てるこっちが胸焼けしてきた。


 後日、有杜ユウトにいからお怒りのお電話をいただきました。一ヶ月ホテルに行けないぐらいで騒ぐな。

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