概要
三月も下旬にさしかかったある日、僕らはクラス委員の虹村志純からテニス部員の一年生からの相談に一緒に乗ってほしいと頼まれた。
その一年生、狛江いずみという少女によると、卒業生のお祝いのためにTシャツの贈り物を企画していたが、誰かに汚されて邪魔をされたらしい。
僕らは犯人を見つけ出すために、テニス部の調査を始めたが……。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!青春ミステリーの傑作 第5シリーズも最高でした
この作品群の魅力は、なんといってもその独特さにあります。
お人好しでなにかと事件に巻き込まれる月ノ下君と、クールで物知りな星原さん。
この二人が学園で巻き起こるトラブルを解決してゆくミステリー小説です。
もちろんこの物語の魅力はそれだけじゃありません。
このトラブルにはそれぞれトリビア的なテーマが隠されており、人間の不思議なところ、社会のおかしなところ、などなどが披露されていきます。
このテーマ性が実に面白いと同時に、それをミステリーで描いていくというところにこの物語の面白さがあります。
たとえばカリフォルニアの娘症候群。
知ってましたか?
では、これまで無関係だった第三者が突然やって…続きを読む - ★★★ Excellent!!!謎解きはどこから来て、どこへと還っていくのか
「四人いないと殺人事件はミステリとして成立しない」と昔からよく言われます。登場人物が三人だと、誰が犯人か、推理するまでもなくわかってしまうからです。
その例は極度に簡潔だとしても、ミステリというものは常にコミュニティの中で生まれるということを、このことはよく表していると解釈することも可能であると私は思います。
この世界は無数のコミュニティで構成されています。ひとつのコミュニティはたくさんのコミュニケーションの連続から成り立っており、コミュニケーションは、いわば小さな推論の連続です。とすれば謎解きは小さなコミュニティを、果ては世界を構成している一単位であると見做すこともできましょう。
謎解き…続きを読む - ★★★ Excellent!!!言葉にできない想いを、言葉にできたなら。
待望の放課後対話篇シーズン5!
あの二人と愉快な仲間たちが帰ってきた!!
学園の謎を解くために、月ノ下くんと星原さんが語る今日の放課後対話とは――?
二人の会話は、きっとあなたの「言葉にできない想い」を代弁してくれるはず。
【マイノリティの憂鬱と卒業生への贈り物】
卒業シーズン。二人のもとに、一年生の狛江いずみというテニス部員が相談しに来た。
その内容は、「テニス部の卒業生に贈り物をするはずだったのに、誰かが『自分になりすまして』妨害した」というもの。
聞けば、多数決で贈り物することが決まったものの、部内の考え方が多数派が少数派に、少数派が多数派に変わったらしく…。
少数派が多数派に勝つ…続きを読む