概要
ある日、美術室の掃除当番をさせられたあと、室内に展示されていた石膏像がなくなっていることがわかった。
生活指導の先生は僕と一緒に当番をしていた友人の明彦を犯人扱いしている。
僕らは何とかして真犯人を探し出そうと動き出したのだけれど、他に美術室に出入りしていた人間は誰もいないことが判って……。
※2019年10月に第一章と第二章を一部改訂しました。
そのため、それ以前に投稿された応援コメントと内容が一致しない部分があります。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ボーイもガールもミーツ具合も最高の作品
ボーイミーツガールものとしてはとても完成度が高い。とかそれっぽいことを書こうとしたけど、そんなことはきっと他の人が書かれていると思うので省略。
とても面白いです! ボーイもガールも最高です! ふたりとも好きです!
しかし月ノ下くん、もうちょっとこう……ヤキモキさせないでくれ……「次の話では二人の関係がもっと近付くのでは?……いかんのかい!」的な。もちろんそういうジャンルだというのは解っているつもりです。わかっててそうなるので、本当に上手いし面白い。
この物語が完結していて良かった。連載を追ってたらこのヤキモキがいつまで続くのか心配するところだった。と思ったら続編がたくさんあった! 読み…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『こんな物語が書きたい!』と歯噛みしながら読んでしまう
プロアマ問わず数々の作品を読んできたつもりですが、『何故こんなに完成度の高い作品が書籍化されておらず無料で読めてしまうのか?』と幸運に思いつつも、不思議な感じがしています。
ネタバレしない程度に少々。
物語は高校生の月ノ下君が中心となって彼の周辺で起こる問題を次々と解決させていくミステリーを軸とした展開になっています。と、このレビューを読んで『何だ、よくある青春ミステリーじゃん』と思ったそこのあなたっ!
違うんです。
私の少ない語彙力では残念ながらこの物語を正当に表現できないだけなのです。
この物語は五つの章から構成されていますが、読み進めていくうちに、やがてたった一つの真実に辿り…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これぞ!な、青春学園ミステリー
人間いざというときに言いたい事が言えなかったり、ここぞという場面で動けなかったり。
また周到に練ったはずの計画が、思った通りにいかなかったり、それでもどうにか結果オーライになったり。
そんな人生におけるあるあるが、生々しい程に詰まった作品です。
主人公は一見情けなく見えるかもしれませんが、現実にいたらかなり勇敢な部類に入ると思います。
物事の捉え方の違い、仲間意識と偏見など毎回答えの出しづらいテーマについて丁寧に掘り下げ、恋愛あり、推理あり、笑いもあり。
どの視点からでも楽しめる様に作られた、正に万人向けの良作だと思います。
続編もあるようなので、この先読むのが楽しみです。 - ★★★ Excellent!!!謎が解けきらない、その素晴らしさを!
本作はまず、謎の提示、その解決という手法で読者を惹きつけます。
推理小説を例に出すまでも無く、何とも魅力的な手法ではあるんですが、それ以上にこの作品を際立たされているのは、しっかりと貫かれている――テーマ性。
本作は、これに対応する“謎”に、安易な解決を与える事は無く、登場人物達は悩み、惑い、時には上手く行かずに苦しんでしまう。
だが、その中で自分を見つめ続ける彼らが、どんなに魅力的であることか!
“謎”に対して答えを安易に出さないからこそ、彼らは瑞々しく、そして眩しく輝くのです。
本作は青春群像劇として珠玉の逸品であること、間違いありません。
ぜひご一読を! - ★★★ Excellent!!!学園ミステリーと青春小説と文学のポップな融合!
読み終わって思うのは「とにかく面白かった!」という素朴な感動。
そしていい物語に出会ったな、というしみじみとした読後感です。
主人公は月ノ下君という、ちょっと冴えない感じの、ちょっとドライな感じの高校生。
ヒロインは可愛いのに、小説家志望のちょっと理屈屋で、ちょっとこじれた感じの女の子。
この二人が学校で起こる、ささやかなミステリーに巻き込まれていく、そんなお話です。
物語そのものは中編の連続体で、それぞれに魅力的なキャラクターが登場し、一風変わった事件が語られていきます。
そしてこの二人がまるで科学反応のように、意外な形の真相を突き止め、彼らなりの一風かわった解決策を講じていきます。
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