物語というものに何を求めるか。
それは老若男女、人によって違うと思う。
しかしながら、今、このレビューを開き、新たな物語との出会いを求めるあなたが次のものを求めているのなら、この作品はその需要を十分以上に満たしてくれるものであると太鼓判を押せる。
まずは重厚かつ軽快、論理的かつ熱いバトル。
次に糖度200%、尊さで蒸発しそうなボーイミーツガール。
そして徐々に詳らかにされていく世界規模の謎。過酷な状況を愛と勇気で乗り越えていくカタストロフ。
魂を揺さぶる至高の物語がここにある。
さぁ、こんなレビューなんか読んでないでとにかく本編を読みにいこう。そして情緒を完膚なきまでに焼かれて今の自分と同じ気持ちになってほしい(本音)。
もしもう少しお付き合いいただけるなら、心の叫びを聞いてほしい。
(知らんがなと思うあなたは本編を読んで来てください)
いいですか、いきますよ?
そこのあなた、三枝零一というライトノベル作家をご存知だろうか。
代表作「ウィザーズ・ブレイン」からの読者であるあなたは同志だ。好きな巻数を肴に共に酒を呑もう(なお当方は自他ともに認めるサクラ推しです)。
ここで初めて著者の作品に触れるあなたは幸運だ。今このカクヨムという場で余すことなく原液を浴びたあとは、不朽の名作「ウィザーズ・ブレイン」、そして現在大好評発売中の「魔剣少女の星探し」を読む楽しみが残っている(正直、とてもうらやましい)。
いずれも本作同様に、何人もの心を虜にしてやまない極上の物語を我々に提供してくれるので、興味がわいたらぜひお手にとっていただきたい。
※ちなみに当方は電撃文庫から一円も貰ってはいない。混じりっけなしの重度のファンというだけである。むしろ本作には課金させてほしい。もったいない(目ん玉ぐるぐる)。
どちらかというと、タテスク系の現代ダンジョン配信ものの設定から飛び出すのは、少年は少女のために、少女は少年のために運命を賭けて戦う往年の成長譚!
チートなスキルはあっても敵(※広義の意味を含む)はまた厄介で、手に汗握るバトルが続く。
それでいて主人公とヒロインのサッパリしていながら甘やかなイチャイチャと、葛藤と変化が入り交じった成長パートは、マーベラスであまりにデリシャス。美味すぎる!
常に最前線で戦い続けてきた先生の筆が描き出す、秘伝の味わいを堪能したいのならば、ぜひぜひいますぐ読まれるのがよかろうと思います。
オススメです……!