放課後対話篇

作者 雪世 明良

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★★★ Excellent!!!

5つの短編からなる本作ですが、それぞれに固有のテーマと起承転結があり、とても完成度が高いです。
ある謎めいた出来事が起こり、主人公とその友人たちがテンポよく会話を繰り広げながら徐々にその謎を紐解き、独創的なやり方で解決に導く手順にはカタルシスを感じます。
魅力的なキャラクター、テンポの良い会話、含蓄のあるストーリーと三拍子の揃った本作を、是非多くの方に読んでいただきたいです。

★★★ Excellent!!!

ある日、美術室から石膏像が消えた。
盗んだ犯人として疑われた月ノ下真守と雲仙明彦は、石膏像と犯人を探し出すが……。

波里久さんのコラボ作品「放課後退魔篇」から巡ってきました!
星原咲夜の薀蓄や切れのよさ、ちょっとお人よしでまっすぐな月ノ下真守。この二人のコンビに心を魅せられました。^-^

そして、この作品。
まだ「馬の騙し絵と少女の郷愁」を読んだところですが、大変面白く感じております。
文体もテンポもわたしの好みで、正直学園モノは得意ではなかったのですが、すらすら読み進めてしまいます。
キャラの設定も大変好感が持てますし、問題解決方法もすべて納得できるものでした。

この後のお話も少しずつ読ませていただきたいと思っておりますー。^-^
雪世明良さんの作品にめぐり合わせてくださった、波里久さんに大大大感謝です!

★★★ Excellent!!!

舞台はある都内の私立高校。

どこまでも真っ直ぐでお人好しな主人公(月ノ下真守)の姿に、どこか懐かしいような羨ましいような、心洗われた気持ちになりました。あぁ、私にもこんな純粋な頃あったはずなんだけどなぁ……(笑)と。
けれど今そう思うのは、僅かながらも心に免疫がついたということなのかもしれませんね。

実際こういう男子生徒がクラスにいたら、女子生徒の間では密かに人気になっていたりするんじゃないかと思ったり。

社会に出ると人の優しさを利用する人も確かにいるといつか気づいてしまうわけですが、本作品はそういった人間心理や現代社会の闇に鋭い洞察力と推理で切り込みながら、あくまでそれに取り込まれることなく、物質至上主義の社会で隅に追いやられがちな弱者に常に寄り添い光をあてています。

浮き世の荒波にもまれて免疫をつけていくうちにともすれば忘れがちな"人情"や"純粋さ"のようなもの思い出させてくれる本作品は、きっと現代社会で揺れ動く心を力強く肯定してくれるのではないかと思います。

★★★ Excellent!!!

石膏像の盗難事件の疑いを晴らそうとするところから物語は始まります。
女子特有の人間関係や、学校への携帯電話の持ち込み問題などを解決しようとする主人公・月ノ下真守とヒロインの星原咲夜。

扱う問題はとても身近で他愛のないものです。
しかし何なんでしょうこの、緊張感は。
思うに伏線や心情や人間関係をとても丁寧に描いているがゆえに、その問題の重さが身に迫ってくるようです。
話運びにもスキがなく、キッチリとつくられています。
問題解決の仕方も現実的で地に足がついていて無理がありません。

僕はこの物語をサクサクとは読めませんでした。
しかし読後は心が暖かくなるのは保証します。
とっても読み応えがありました。