52ヘルツの鯨のように。

主人公視点で進む五つのエピソードからなる短編集。

美術室の石膏像が紛失し、主人公と友人は事件に巻き込まれる。
彼らは真犯人探しに躍起になるが、ある方法で事件を解決し、石膏像を無事に美術室に戻すことに成功する。

事件解決に雑学が入る一風変わった構成ですが、それがこの作品のスパイスとなり作品全体をより面白くしています。

一番印象に残った作品は、女子生徒が執筆した小説の読み聞かせを、主人公がアドバイスをするという内容ですが、女子生徒の執筆した小説のストーリーも設定が面白く読み応えがあり、彼女のメッセージも込められています。

52ヘルツの鯨のように、不器用なふたりは出会い互いを認め合う。
淡い恋心も見え隠れし、読後感はとても爽やかです。

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