結局、AIとどう付き合えばいいのか(結論先送り)

 ちと多忙モードに花粉の追い打ちを受けて絶不調です。頭が回っていないので、結論先送りを大前提にメモします(カクマラソン継続が目的w)。


■大規模言語モデルが流出


 まずは昨日のニュースから、GPT-3の対抗馬であるMetaの大規模言語モデル「LLaMA-65B」のデータが流出したそうです。

https://gigazine.net/news/20230306-llama-65b-leaked/


 LLaMAといえば単一GPUで動作する言語モデル(つまり安価に学習を進められる)として名高いモデルです。AI分野のキーアイテムの一つですから、狙われていたんでしょうね。たとえていえば、世界中にゴマンといる怪盗ルパンがお宝を狙っていたようなものです。「まさか盗まれるとは」という思いと「まあそうなるよね」という思いが半々。


 去年、Novel AIのシステムがごっそり盗まれたことを彷彿とさせる事件です。最初からオープンソースとして公開されたStable Diffusionと異なり、Novel AIの盗用は犯罪です。犯罪なのですが、盗まれたNovel AIのモデルとシステムが研究しつくされて、一気にAI画像が実用化(高画質化)することに寄与したことを思うと……モヤっとします。


 LLaMAは言語AIであり、コンパクトな画像AIと違って一般ユーザーが扱うには少々重いものです。しかし、金の卵ですから死蔵せずに研究されまくるんだろうなぁ。願わくはAIの良い発展に貢献してほしいものです。


■かつてプロンプトエンジニアリングという言葉があった


 プロンプトエンジニアリングとは、AIを思い通りに動かすために使用する命令、つまりプロンプトを操る技術のことです。画像AIであれば、絵を描かせるために入力する呪文のことですね。つい半年前は、これからはプロンプトエンジニアリングだ! みたいにもてはやされていたのですが、早くもそのメはなくなりましたね。栄枯盛衰が早すぎます。たったの半年ですよ。AIの世界は異常な速度で進化してます、イヤになるぐらい(^^;


 なぜプロンプトエンジニアリングが陳腐化したか。それはControl Netという技術が2月に実用化されたからです。

 エッセイではなく、画像を貼り付けられる近況ノートにチラっと書いたヤツ。

https://kakuyomu.jp/users/sofia_2020/news/16817330653626954401


 これまではプロンプトを書いて何枚も(場合によっては何百枚も)描画させなければ思い通りの絵を作れなかったのです。この様子を「ガチャを回す」といいます。言い得て妙。ところがControl Netによって人物でも風景でも、思い通りの配置・ポーズで絵を作ることが可能となりました(多少の不都合はありますが、ガチャの回数は激減)。


 今日時点の技術では精細な描写が可能なのは静止画のみにとどまっています。しかし、すでに動画への応用が始まっていて、いずれは実用に供されるでしょう。商業撮影や動画制作のフローを一夜にして変えてしまうインパクトがあるんですよ。もうモデルや俳優、カメラマンが不要な世界に足を踏み入れつつあります。かつてゲームや映画が3DCGに置き換えられていったように。


■どうお付き合いすればいいのか


 では、人はAIとどう向き合えばよいか。これは結論がだせない問いです。なぜなら、これからどんな技術が発明されるかわからないからです。論文が発表されてから、それが実装されるまでの時間がメチャクチャ早いんですよ。


 思えばコンピュータの黎明期がこんな感じだったなぁ。当時の1年が一週間に圧縮されているほどの速さで進化している。だからみな、MicrosoftやAppleを目指して起業しているんだろうけど、最終的には大手に喰われるだろうなと悲観的な展望しか浮かんでこない。


 言えることは、

・AIビジネスに関わるなら仕様決定側、プログラミング側で関わるべき(マネタイズしにくい)

・できればAI技術に軽く触っておくと心臓麻痺せずに済むかもね


 そんな感じかなと今日時点の私は思います。

明日のことはわからないよホントに。何が起こってももう驚かない。


【追記】

 このエッセイを書いた翌日、面白い記事が掲載されたので、参考までにリンクしておきます。

https://bunshun.jp/articles/-/61116


 ほぼ、わたしと同じこと考えてます。時代の変革期にいるって実感は共通してもっている感覚なんだろうなぁ。

 たとえば歴史の授業でパソコンの発展、インターネットの発展、さらには産業革命を学んだとするじゃないですか。その立ち上がり当初の瞬間にタイムリープできたら世界を牛耳るまではいかなくても、一角に食い込めると思ったことありませんか? いまその世界が変わろうとしている「歴史」の瞬間に生きているんです、我々は。

 もうワクワクするね(^_^)

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