文字数オーバーする作者の心理を推測してみる

 (無効だけど)読者選考期間中に文字数を規定内に収めてくるのかなと思えば、逆に文字数オーバーした作品が増えました。うーむ、これはどうしたことでしょう? 


 超えちゃっているものは選考対象にならないので、取り上げても意味ないのですが、むしろ「なぜ超えているのか」の人間心理の方に興味があります。


 だって私だったら「そんな作品を応募しても意味ない」と考えるのですが、平然と「無意味のK点超え」してくる人たちには、なにか特別な打算や思惑が働いているのかもしれません。

 このあたりの機微が物書きの好奇心をいたく刺激するのですよ。


○文字数オーバーした理由を推測してみる


 ちょっと考えてみました。これがすべてではありませんが、このヘンに集約されるのかな?


1.最初からコンテストが目的ではない。

2.途中でコンテストをあきらめて路線変更した。

3.規約を読んでいない、もしくは見落とした。

4.規約はあくまでも建前と捉え、お目こぼしを期待している。


 いずれも論外ですけど、1のタイプが存在するのは明らかですね。でなければ百万字の作品を短編賞に突っ込んでこないでしょ。


 なんとかその心理を数字から推測できないもんだろうか、ということでデータを並べてみます。


○短編を意識していない割合


 ひとまず短編が眼中にない閾値を2万字に設定してみました。この数字なら明らかにうっかり間違ったレベルではないと言えるでしょう。

 その結果は……、


1万字超え総数:402作品の内訳

2万字超え:196作品(48.8%)


 むむむ、この数字でわかりますね。ほぼ半数の作品がコンテストで受賞することが目的ではなさそうです。


○連載中の割合


 次に小説設定を完結済とせず連載中の作品を集計してみました。


連載中 142作品(35.3%)


 3分の1以上が続ける気マンマンですね。上の推測1,2は確度の高い推測と言えそうです。


 では何のために短編コンテストに参加したのでしょう? ……って、作者さんに質問してみたい気持ちに駆られますが、答えてくれないだろうなぁ。皆が納得・感心する類の理由とは、ちょっと思えないからです。おそらくは利己的な動機と考えるのが合理的なんだろうなぁ、残念です。


○1万2000字未満で完結している割合


 推測4のパターンを考えてみます。閾値を上限値の2割増しに設定してみます。理由は特にありません。つーか、たった2000字なら簡単に削れるだろうと1万7000字から1万字に削った私は憤慨しちゃうわけですが。まあ、それはそれとして。


1万2000字未満で完結済 118作品(29.4%)


 3割弱ですか。結構多いなという印象。2000字で失格になるなら削ればいいのになー、って思います。もったいない。


 とまあ、カクヨムコン短編賞を数字で見てみると、こんな感じでした。

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