短編賞選考方法の仮説

 短編賞中間選考を振り返るにあたり、通過作・選外作のデータをながめていたんですよ。そしたらですね、ある仮説が浮かびました。充分な検証はできていませんし、深い検証ができるとも思えないので仮説だけ書きます。


【短編賞も長編部門と同じ読者選考ロジックが使われていて、読みで微調整を行っている説】


 長いな(笑)。これって、もしかして既知の事実でしょうか? まあ、そういうことなんだと思います。9000作を超える作品のすべてに目を通しているとは思えませんので、上位通過作はそうして選ばれているフシがあります。「読んで」選んでいるものは当落ギリの線と、このフィルタを通過した作品が5作を超えた作者の当落振り分け、足りない分の埋め合わせに「売れ筋」を探した結果なのかなと緩く想像します。


 ロジックが使われていると推測した根拠は、

・★などの数値が高くても公開日が古いものほど通過しにくい(ランキングのロジックに近い)。

・★などの数値が同等ならば、2021年12月1日以降に公開された作品が多く通過している=コンテスト期間に★が増えた(読者選考と同じロジック)。


 傾向はです。一部このルールに乗らないもののありますが、そこは「読んで調整」されたものかもしれません。調整して最終的に10%に数字を合わせる、という手順の可能性が見えます。


 また、これまで★とPV以外に注目していなかったのですが、フォロワーやレビューの数もパラメーターとして加えるべきなのでしょうか(車輪の再発明っぽい予感)。★、PV以外のパラメーターを加味すると、より仮説のロジックに近い結果になります。


 具体的な例として(名を伏せた上で)数人分の作者さんのデータを挙げてもいいんですけど、そこまでするのはちょっとねぇ。


 集計データを眺めて思いました。なるほど、それで12月1日以降に公開される作品が多いのかって。これって、みなさん経験からご存じなんですかね? カクヨムビギナーの私は知りませんでしたし、コンテストが始まってからしまった! ってホゾをかみましたよ(笑)


■カテゴリごとの通過率と★データ


 締め切り後に字数でフィルタリング集計した有効作品数と通過数から通過率を集計しました。

 ★の平均と中央値も付加してあります。


ホラー・ミステリー・SF: 2,139→176作品(8.3%)  平均★61.7 中央値★47

恋愛・ラブコメ:     2,036→279作品(13.7%)  平均★61.1 中央値★40

現代ドラマ:       1,913→117作品(6.1%)  平均★48.9 中央値★40

ファンタジー:      1,719→153作品(8.9%)  平均★66.5 中央値★45

実話・エッセイ・体験談:  842→147作品(17.5%) 平均★69.0 中央値★53

歴史・時代:        215→19作品(8.8%)  平均★63.2 中央値★43


 別枠で募集のあった実話・エッセイ部門が17.5%と多めです。ついで恋愛・ラブコメの13.7%。現代ドラマが6.1%と狭き門、それを除けば8~9%程度です。


 このデータから読めるのは、実話・エッセイを除く各ジャンルで★40以上あれば真ん中前後で通過していることです。もちろん★だけが選考基準ではない(なさそう)なので、参考程度で。実話・エッセイは通過数は多いものの、★の中央値が53と他ジャンルよりハードル高めですね。


 以上、次回の参考になれば幸いです!

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