概要
孤独な少女は、ずっと、大切な人を待っていた……
時は文化年間、江戸。
長屋で一人暮らしをしている十六歳の娘・雪(ゆき)はある日、怪我を負った浪人・辰巳(たつみ)と出会う。
看病を続けるうちに雪は辰巳のことが気になり始めるが……
何をしても自信が持てず、素性の知れない辰巳にとっても自分はただの都合のいい女ではないのかと、雪はそう思いながらも辰巳との縁を切れないでいた。
辰巳の目的とは、雪が長屋の住人から好ましく思われていない理由とは……?
——私は捨てられた。だけど、ずっと待っている。
ひとりぼっちの雪は、儚い望みを持ち続けていた。
孤独の雪と訳ありの辰巳の行末は、幸福か、それとも…
長屋で一人暮らしをしている十六歳の娘・雪(ゆき)はある日、怪我を負った浪人・辰巳(たつみ)と出会う。
看病を続けるうちに雪は辰巳のことが気になり始めるが……
何をしても自信が持てず、素性の知れない辰巳にとっても自分はただの都合のいい女ではないのかと、雪はそう思いながらも辰巳との縁を切れないでいた。
辰巳の目的とは、雪が長屋の住人から好ましく思われていない理由とは……?
——私は捨てられた。だけど、ずっと待っている。
ひとりぼっちの雪は、儚い望みを持ち続けていた。
孤独の雪と訳ありの辰巳の行末は、幸福か、それとも…
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!時代物の新ジャンルに出会えた気分
美しく優しい文体に魅了され、一気読みさせていただきました。
下町や長屋の描写も繊細で、読んでいる時は勿論、読後もしばらく、自分がまるでその世界で生活しているような錯覚を覚えるほどでした。
主人公の雪は、とにかく不幸な生い立ちを持つ少女です。そんな彼女がある日、手傷を負った浪人と出会うことで運命が開かれる。
この雪という少女にかなり感情移入しました。その不幸な過去によって形成された、自分に全く自信を持てない性格にも納得出来ました。
だからこそ彼女には幸せになって欲しい、そう願わずにはいられませんでした。
読み終えた時、「終わってしまった」という強烈なロスに襲われました。
このロスを埋める…続きを読む