鉛色の空から

 銀鼠色の粉が堕ちて来て

 鉛白色に覆う



 くるくる、くるりと回せば

 次が覆う、その刹那に

 鮮やかな色が垣間見える



 赤

 紫

 青

 緑

 黄

 茶

 白

 黒

 透明

 金

 銀



 花と称されるだろうか


 今ではもう外界では見る事が叶わない


 瞬いた次にはもう消えてしまう


 花火のように儚い華だと


 しかし誰が口にする


 誰も見る事など叶わないのに



 強き鳥と虫と


 見下ろす天上人以外は





「厭わなければ、誰でも見る事ができる」


 しかし、この結界を手放す者はいない







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る