出稼ぎものと家を守る者




 己の矜持と相手への信頼。


 うちとそと。


 相手への尊敬。

 相手からの尊敬。


 重圧になるか否か。


 やる気と疲労と、

 期待と心配。


 刻として。


 ふとした瞬間である。


 こちとらやる事成す事多いのだ。

 ふとした瞬間で十分だ。

 昔みたいに誰が毎秒毎分考えられるか。






「帰った」

「・・・ああ、そうか。今日だった、忘れてた」

「だと思ったんで、めし、買ってきた」

「ありがと」

「こっ・・・・・・・・・好きなやつ」

「こっちも偶然好きなやつ買っておいたんだ。おやつに食べよう」

「・・・・・・寝るか?」

「お風呂は洗ってあるんで、先にどうぞ」

「どうも」

「こちらこそどーも。おかえりなさい」

「ただいま」




(さて。マッハで好きなやつ買ってこないと)

(マジで忘れてたな。逞しくなって)



 同時に笑うのだ。


 それはそれは、満足げに。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る